稀少性のない借地権に意味はない

通常のマンションは土地の所有権が付いている。それに対して、土地を借りる形になる借地権は評価が分かれるので注意が必要だ。単純に言って、都心は「買い」だが、郊外は絶対買ってはいけない。そもそも借地権はその土地の稀少性があり、地主が手放さない理由があるからこそ意味がある。

都心では稀少立地の借地権物件は所有権物件と同じ相場で取引されている。私はこの誰もが知っているわけではない情報をよりどころに、都心の借地権マンションで値上がり益を享受している。一方、郊外や地方の一般的な土地は借地にする意味すらない。なので、そうした物件は誰も買おうとしないので、売れなくなり、価格も大幅に下がることになる。

資産価値が落ちない「ヴィンテージ」と「大規模開発案件」の特徴

ヴィンテージマンションは資産価値が落ちないので、「買い」だ。ただし、ヴィンテージの定義を間違ってはいけない。ヴィンテージ認定されるような物件は、誰もがうらやむ立地であることが条件になる。そうした立地のパターンは2つある。1つは駅に近く、総戸数も多い物件だ。例えば、渋谷駅直結の宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンスや表参道駅直結で建て替え計画のある南青山第一マンションズや原宿駅前のコープオリンピアという築50年以上の物件が該当する。こうした物件は建て替えされ続けて、価値を上げ続けることになる。

東京中心部の空中写真
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

2つ目のパターンは街並みのきれいな大規模再開発案件になる。広尾ガーデンヒルズはケヤキ並木や緩やかな傾斜地で総戸数1181戸の大規模な面開発になる。これ以外にも、駅前の大規模再開発はたくさんある。恵比寿駅の恵比寿ガーデンプレイス(恵比寿ガーデンテラス壱番館・この物件の居住者の平均年収は3016万円※住まいサーフィン調べ、以下同)、品川駅の品川グランドコモンズ(品川Vタワー・1548万円)、六本木駅の六本木ヒルズ、神保町駅のジェイシティ東京(東京パークタワー・1801万円)、月島駅の大川端リバーシティ(センチュリーパークタワー・1593万円)、秋葉原駅の秋葉原クロスフィールド(東京タイムズタワー・1652万円)などだ。

こうした物件の特徴は価格が下がらないこととこれに付随して住んでいる世帯の年収も高く維持されていることだ。通常の物件は1年で2%、10年で20%価格が下がるので、価格が下がった中古価格で入居してくる人が増えるほど、そのマンションの平均年収は下がる。ヴィンテージとは住んでいる人も成熟したヴィンテージなので資産価値が維持されている意味合いもある。

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