住宅ローン以外の維持費が高い物件は避ける
マンションを購入した後の支払総額は、住宅ローンの返済額+管理費+修繕積立金などになる。管理費は都心ほどm2単価が高くなるが、簡単な目安は物件の坪単価の10000分の1程度と同じだけのm2単価になる。例えば、8000万円、20坪(66m2)、坪単価400万円なら、m2単価400円×66m2=2万6400円ほどの管理費が目安だ。
この物件が提示する管理費が5万円ということなら、2万4000円(=5万円-2万6000円)×420カ月(35年)=990万円ほど安くしなければ売れなくなる。なぜなら、月の支払額で購入物件を検討している訳で、財布は1つだからだ。
こうした住宅ローン以外の維持費が高い物件は、隣接ホテルの利用権が付いている場合や借地権で地代が非常に高い場合などがある。実名は避けるが、購入する物件が新築だろうが、中古だろうが、毎月の支払額で物件比較することをお勧めする。
デザイナーズ物件、戸建立地の低層マンションは鬼門になる
マンションに戸建の概念を持ち込む人は多い。それをいいと思って言っているようだが、マンションと戸建は考え方が全く違うと思ってもらった方がいい。
例えば、メゾネット(2層構造)はマンションでは売れない。マンションは1フロアでフラットであることが大前提であり、これに反したら、戸建ニーズになってしまう。そうなると、立地・面積・価格は全く別の選択になる。
同様に、戸建立地における低層マンションも受けが悪い。特に世田谷区などに多い。その場所でマンションを買うくらいなら、戸建を建てると言う人が多いと考えよう。戸建の中には建売と注文があるが、設計変更できることに価値を置くなら、マンションはやめておいた方がいい。
マンションにも、「スケルトン・インフィル」という内装の自由設計を手掛けていたところもあるし(今はないはずだ)、「コーポラティブ」という土地を共同購入する形でセミオーダーな設計変更をする形態もある。どちらもコスト高であるだけでなく、自分好みの内装や仕様は売る際に苦戦を強いられる。自分の趣味は他人の趣味であると思ったら大間違いである。原則、マンションは美人投票が求められる。自分が美人と思う物件よりも、多くの人が美人と思う物件の方が売却時に売りやすいのだ。美人の基準は第一に立地になる。