年間シートが全部売れれば年間シート5000席×1席50万円=25億円
メジャーに比べ日本プロ野球の年俸は低いとはいえ、日本の他のスポーツと比較すれば圧倒的に恵まれているのは明らかである。球団の懐事情はどうなっているのか?
「球団経営」の根幹をなすのは「年間シート」である。特定の球団の数字ではないが、標準的な事例を挙げて説明しよう。年間シートが全部売れれば、年間シート5000席×1席50万円=25億円。球団には毎年25億円が入ってくる。だから球団は年間シート販売に躍起になる。
1選手の年俸が平均4000万円とした場合、球団支配下選手70人の総年俸が約28億円(便宜上、外国人選手は考えない)。それを月ごとに12分割で支払っていくのだが、選手を維持するだけでざっとこれだけのコストがかかる。
ほかにも監督・コーチの年俸やチーム運営にあたるスタッフの人件費、設備費などがある。そのため球団は年間シート席以外の席の販売にも力を入れる。球場によって差はあるが、1試合観客7000人を損益分岐点として、それ以上は黒字になると言われている。
また、日々の「チケット代」「スポンサー代」「テレビ放映権料」「グッズ・飲食代」の売上をどれだけあげられるかも重要になるが、収益力はまだメジャーの足元にも及ばず、それが日米の球団の選手年俸差にもつながっている。