行き詰まったら空を飛ぶ鳥を見てみよう
大切なのは、比べる軸を1本ではなく、縦軸や横軸など多数持つことです。そして自分の強みや能力を発揮してゴールに到達することです。
もし自分が1本の軸にとらわれていると気づいたら、ぜひ人以外の生物の営みを観察してみてください。
たとえば空を飛ぶ鳥。もしかすると鳥同士は、どっちが速いとか遅いとか、けっこう比べているかもしれませんが、彼らは海を越えるために飛んでいくんだなと少し引いたところから見れば、その差異はちっぽけなものです。鳥にとっては、海を越えて渡っていくこと自体に意味がありますから。
そういった生物の営みを観察すると、自分もまた自分の能力を発揮し、ゴールに到達することに意味があるという感覚を取り戻すことができるでしょう。
柳は緑、花は紅
禅の世界には「柳は緑、花は紅」という、とても有名でシンプルな言葉があります。
緑したたる柳の葉と、紅色に咲き乱れる花々。あるがままの姿をたたえる言葉です。またこの言葉は、物事はさまざまに異なった姿をしていることも伝えています。柳と花、どちらが緑で、どちらが赤で、どちらが美しいんですかと言っても意味がありません。本当は、どちらもそれぞれに輝いている。柳がもっと赤ければいいなあ、花はこういう色であるべきと言っても仕方がない。どちらもありのままの姿こそ真実であるという意味です。