ルーティンを避ける

前頭葉の萎縮を遅らせるための手っ取り早い方法として挙げたいのは、日常生活におけるルーティンをなるべく避けることです。

たとえば仕事からの帰り道、会社から自宅までの道順を時々変えて、普段はあまり通らないルートをあえて選んで家まで帰ってみる。ランチもいつも決まった店に行くのではなく、話題のお店や行ったことのないお店を試したり、新規開店のお店にも挑戦してみる。

自分で料理をする人なら、これまであまり扱ったことのない外国食材を使ったメニューに挑戦してみることなどもいいでしょう。

もう少し知的な前頭葉の鍛え方としては、自分の思想とは真逆の、相容れない意見の記事や本をあえて読んでみるのも、脳への刺激という点ではお勧めです。

自分とは相容れない意見やイデオロギーに触れたとき、人はついつい斜に構えてしまうものですが、それでも真正面から向き合ってみれば、意外な発見のひとつやふたつはあるかもしれません。仮にそうした発見が何もなかったとしても、「それは違うぞ」などと心の中で「ツッコミ」を入れながら読むことになりますから、前頭葉にはとてもいい刺激になる、というわけです。

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「決めつけ」型の思考から抜け出そう

こうした姿勢を、読書にかぎらず日常全般で実践すれば、より効果的な前頭葉の訓練になるでしょう。

具体的には、「目的Aを達成するにはBという方法しかない」「自分のこの考え方が絶対に正しい」といった「決めつけ」型の思考から抜け出し、世の中には自分が「正しい」と思っている方法や理論以外にも「いい方法」や「いい意見」が存在する可能性を常に意識する。そうした思考パターンを日常生活の基本にするのです。

たとえば、職場の若手社員などから出される意見に対しても、頭ごなしに否定するのではなく、「もしかしたら、彼らの言うことが“よりよい”ものである可能性もあるな」というくらいに受け止めてみるのです。