出社勤務に戻ったことで、家事の両立が困難に

Bさんにとって、出社勤務と家事の両立は大変だったので、コロナ前のように母親に家事を任せようとしたら、お母様が骨折前ほどは家事をできなくなってしまっていたのです。毎日、出勤と往復3~4時間の通勤をこなした後に家事をこなし、疲れているはずなのに眠れないと産業医面談にBさんが来られたのは昨年末でした。聞いてみると、このままの生活では自分の体が持たないのではないかという不安や悩みがいつも頭の中を占めているとのことでした。

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Bさんにとって幸運なことに、年が明けてみるとオミクロン株の流行もあり、会社が再び在宅勤務になりました。今のところBさんは疲労も回復し睡眠も戻ってきましたが、コロナ後はどうするのか、自分の退職(転職)の可能性も含め、悩みに悩み中です。

高齢の親の介護の相談は10年ほど前から、たまに産業医面談でもありました。

そして、実際に親の介護のために退職を選ぶ、退職せざるを得ないという選択肢を取る人がここ3~4年の間に出てくるようになりましたが、コロナ禍での在宅勤務もあり、この2年間は退職の理由としての介護は少なくなった印象です。しかし、コロナ後の世の中では、この流れが加速しそうな気がします。

同僚たちの顔を見るとストレスを感じる

産業医の私は、全ての不安やストレスや悩みの相談に、上手に対処できているわけではありません。

3人目のCさんは40代の男性で、ストレスチェックテストで高ストレス判定になったことで産業医面談にいらっしゃいました。過去のストレスチェックテストの結果を聞いてみると、コロナ前は高ストレス判定だったが、一昨年のコロナ禍では非該当、昨年(今回)11月のストレスチェックテストは高ストレスだったとのことです。原因も自分で分かっており、出社勤務をしていると、自分は真面目に仕事に取り組みチーム内で一番多くの仕事をこなしているのに、周囲の人たちは無駄話をしたりのんびりしていて、ちゃんと働いていないことがストレス原因だと断定していました。

聞いてみると、Cさんの私生活も仕事量もこの3年間変わっていないので、ストレスの原因は同僚たちであり、同僚たちの顔を見る(出社)か見ない(在宅勤務)か、が問題なんだとのことでした。会社の出社要請は法的には従うべきことも知っており、ストレスがたまる一方だとのこと。

私は、私生活や仕事量などの環境要因が同じ中で、ストレス量が増減しているのは、Cさん自身の受け取り方に起因する可能性が高いとお伝えし、定期的なカウンセラーとの面談をお勧めしましたが、すでにカウンセリングを受けたことがあり有益ではなかったと断られてしまいました。