更年期障害を引き起こす3つの要因

しかし、まさか自分が更年期だとは。あの時、頭をよぎった言葉が正解だったことに驚きと、ショックを感じたが、それ以上に「この苦しみから解放される」という喜びのほうが勝っていた。「悪魔に魂を売ってでもラクになりたい」とすら思うほど、更年期の症状がつらかったからだ。

吉野医師によると、「更年期の症状は千差万別」だという。その理由は「3つの要因」が複雑に絡み合っているからだ。1つ目は身体的要因で、エストロゲンの急激な減少によるもの。これにより、生殖機能、自律神経系、心血管系などの不調が表れる。2つ目は元々の性格や幼い頃の家庭環境が影響する心理的要因。くよくよしやすい人ほど、症状が重たくなる傾向にある。そして3つ目は職場での人間関係や、現在の家庭環境が関係する社会的要因。更年期は親の介護や、子どもの自立といった家庭環境が変化する時期で、それが症状に影響することが多々あるという。

私は身体的要因に加え、最愛の父の急逝や過干渉の母との関係性が大きく影響していたように思う。吉野医師からこうした話を聞くまで、「感情のコントロールができないのは、人間として欠けた部分があるから」と常に自分を責めていた。もちろん未熟な部分があったことも否めない。だが意志ではコントロールすることができない女性ホルモンが影響していたと分かり、自分を許してやれるようになった。

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乳がんリスクが不安なら定期的な検診を

更年期と判明したところで、いよいよ治療がスタート。私の場合、閉経前だったことと、生理痛が重く、経血量過多の月経困難症でもあったことから、低用量ピルが処方された。

「ピル」というと、避妊薬のイメージを強く思う方もいるが、月経困難症の他、子宮内膜症の予防やニキビ予防などにも処方される。乳がんのリスクが不安視されるが、厚生労働省による調査では「乳がんのグループに比べ、乳がんではないグループのほうに約2倍のHRT(低用量ピルなどによるホルモン補充療法)経験者がいた」という結果もある(45~69歳の日本人女性が対象。過去10年間以内に乳がんの手術を受けた女性と、受けていない女性にHRTなど21項目のアンケート調査を2004~2005年秋に実施)。

もちろん乳がんのリスクはゼロというわけではないが、定期的に乳がん検診を受けることで不安は大幅に解消されるはずだ。実際、私自身も年に一度、乳がん検診を受けている。