私が最初に「異変」を感じたのは33歳、12月のことだった。ワインの専門家を取材中、突然首から上がカーッと熱くなり、滝のような汗が取材ノートにたれ、びしょびしょになってしまったのだ。その時は、「緊張して汗をかいたのだろう」と軽く思っていたが、その日を境に同様の症状が頻繁に表れるようになった。

一瞬、「更年期」という言葉が頭をよぎったが、元々暑がりであることもあり、すぐに打ち消した。しかし、ほてりの症状はおさまるどころかどんどんひどくなり、さらにはメンタルやカラダのさまざまな箇所に不調が表れてはじめた。

「調教不能な猛獣」を飼っているかのよう

カラダの面ではほてりに加え、体重増加(今より8キロ増)、大量の抜け毛、肌荒れし放題で、目に見えて老化が進んでいった。メンタル面ではとにかくイライラと不安が止まらず、周囲にいる人に当たり散らしていた。

特に当時の夫にはひどい当たりようだった。ちょっとでも気に入らないことがあると暴言を吐いたり、時には物を投げつけたりすることもあった。自分でも「こんなことを言ってはいけない」と心ではわかっていながら、暴言を抑えることができなかった。彼が穏やかなのをいいことに、私は家庭内暴君として君臨していた。その後、子どもを持つ、持たないで意見が分かれ、最終的に最初の結婚生活は約10年で幕を閉じた。

職場では上司にくってかかり、ついにはクビに。まさに「更年期ロス」を地でいっていた。どうがんばっても感情のコントロールができず、心の中に「調教不能な猛獣」を飼っているかのような気がした。更年期に良いとされる市販の漢方薬や、イソフラボンやザクロエキスのサプリメントを飲んでも効果はゼロ。誰かに相談することもできず、次第に追い詰められ、一時は自死さえ考えたほどだった。

そんな話を取材で知り合った「よしの女性診療所」の院長・吉野一枝医師にしたところ、「血液検査をしたほうがいい」と言われ、早々に採血をすることになった。そして検査から1週間後、若年性更年期だったことが判明したのである。この時、私は42歳。初めての「異変」から、実に10年近くの年月が過ぎていた。

30代で女性ホルモンが急激に減少する「若年性更年期」
30代で女性ホルモンが急激に減少する「若年性更年期」 出所=葉石かおり『死んでも女性ホルモン減らさない!』(KADOKAWA)