「プロセスを楽しむ」旅の新トレンドを広められるか
21年10月に緊急事態宣言が全面解除となり、旅行は正常化に向かいつつある。航空業界では搭乗率60~70%が損益分岐の目安になるが、ピーチは10月以降、搭乗率は70%台に回復。年末年始も83.9%と高水準だ。直近ではオミクロン株が懸念材料だが、中長期的には元に戻りつつある。旅のきっかけを提供してくれた「旅くじ」は、今後どうなるのか。
「当初は期間限定のつもりでした。というか、期間をどうするかを議論していなかったくらいに期待していなかったんです。しかし、これだけ反響をいただいたので、少なくとも大阪心斎橋については常設でやります。実は今、さまざまな企業からコラボのお誘いをいただいています。具体的にはまだ明かせませんが、ある分野に特化したバージョンを出すことも検討しています」(小笹氏)
「国内線は、連日数万人規模で感染者が出ていた頃と比べると減便本数は減りましたが、国際線の再開はこれからです。再開したら、インバウンドのお客様に『旅くじ』を販売してもおもしろい。ピーチはコロナ禍でも道東や九州、石垣など路線を増やしました。リピーターのお客様に東京や大阪以外のところにいくきっかけを提供して、日本の魅力を知っていただければなと」(福島氏)
ユニークさで話題になった「旅くじ」だが、ピーチは一時的なブームで終わらせるつもりはなく、定番化を狙っている。行き先にこだわらずに旅のプロセスを楽しむ近年のトレンドを踏まえると、定着する可能性は十分にありそうだ。