雑談ネタを盛り込んで挨拶だけで終わらせない
さて、年始は忙しい時期なので、顔を見せることに挨拶の意義があるといわれ、基本的にはビジネスの話はしません。訪問時間は、5~15分。長くても30分以内には切り上げるのが一般的です。とはいえ、せっかく時間をいただくので、お互い無駄な時間とならないように、有意義に過ごしたいところです。そこで、訪問する時にはしっかり雑談ネタの準備をしておくことをおすすめします。
オフィスの項目でご紹介したお正月の過ごし方の雑談も、普段仕事の話しかしないお客様の意外な一面を知ることができる、という効果があります。
ただ、新年の挨拶回りは仕事の一環であることには変わりません。そこで、ワンランク上の新年の挨拶回りでは、今年の事業予定や今後の動向を確認するなどの工夫をしてみましょう。
例えば、雑談の流れの中で、
「ところで、今年はどんな事業予定があるんですか」
「今年の新作も注目しています。発表会はいつごろを予定しているんですか」
などと振って話を引き出せると、良いスタートダッシュが切れるかもしれません。
長々と打ち合わせのように話し込むのは避けたいですが、相手も自分の会社や事業に関心を寄せてくれていると思えば、嬉しいものです。
今年一年の業界キーワードを話題にしてみる
また、年頭に興味がある話題といえば、やはり経済や業界の見通しです。
そこで、業界展望や取引先に関係ある話題について、セミナーやWeb記事、元旦の新聞等でネタを仕入れておくのもおすすめです。
そして、
「今年は、○○がテーマの一年になりそうだとニュースになっていましたね」
「今年は○○がキーワードになりそうですね」
等、話題を振ってみましょう。
また知見がある相手なら、「○○さんは、今年の見通しについてどのようにご覧になっていますか」など質問をしてもいいでしょう。
このように、単に挨拶だけで終わらせず、先方が興味ありそうな話題を用意していくと「そういえば……」と、思わぬ話や次回のアポイントにつながる情報を得られるかもしれません。
そして切り上げる時間となったら、
「今年は昨年以上に○○さんのご期待に応えることができるよう精進致します」
「まだまだ至らない点ばかりですが今年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします」
「今年もご期待にお応えし、より一層業務に努めて参ります」
と丁寧な挨拶で締めると好印象が残ります。
特に年配の方には、正しい挨拶ができるとより良好な関係性を築けます。少し固いかなと思う場合には相手に合わせた挨拶表現を選んでOKですが、その場合でも普段よりややフォーマルな挨拶で締めることをおすすめします。
デジタル化が進む昨今でも、一年の始まりに挨拶を大切にする人は多いようです。ワンランク上の挨拶で、お互い気持ちよい関係をつくり、好スタートを切りましょう。