趣味の本を売ることから事業をスタート

同社の創業は、荒木さんが33歳の2005年、日本で開始されて間もない「Amazonマーケットプレイス」で手持ちの本を売ることからスタートした。

「当時はサラリーマンで、本が好きで500~600冊の本を持っていました。それを試しに売ってみたところ、すぐに売れた。しかも購入してくれた方から、『きれいな状態で届きました』などの声までいただけた。自分が大事にしていた本で他の方も喜んでくれる。それが面白くて手持ちの本を売り尽くした。2カ月やってみて、これで食べていけると思ったので会社を辞めて独立しました」

最初は自宅の押し入れを倉庫にし、当時は今ほど認知されていなかった「せどり」や、ご近所からの買い取りなどで商品を集めては販売した。やがて本だけでなく、CDやDVD、さらには家電などの商品を扱うようになる。転機となったのは、2011年の東日本大震災だ。

「当時お付き合いしていた方の倉庫が千葉にあり、地震で棚の商品が大量に落下してしまった。早急に片付けなければならず、買い取ってくれないかとの依頼を受けたのです。体育館以上に広い倉庫で、とても検品できる状態ではなかったのですが、これも何かのきっかけ、必然なのかなと思い、やりますと答えました」

買い取り価格は数百万円。手持ちのキャッシュでは足りず、銀行からの借り入れを行い、商品を保管するための物流倉庫も借りた。結果的には、壊れていない商品も多く利益を出すことができた。それを機に商品を卸せる取引先が増え、販路も楽天市場、Yahoo!ショッピングへと広げていく。そして、創業から13年後の2018年、リアル店舗「222」を滋賀県栗東市にオープンする。

看板も電気もない倉庫で近所の人に声がけ

「これも、ある時倉庫が溢れんばかりの商品が入ってきたことがきっかけです。訳ありで1点ものの商品が多く、説明する文章や写真を用意する手間がかかるため、ネット販売は難しかった。さらに当時は通販の送料が社会問題化し、送料のコストが上がっていた。安価でかさばる商品では、送料負けしてしまう問題が生じていました。そこで、試しに倉庫で近所の人に向けて売ってみようとなったわけです」

提供=ガットリベロ
滋賀県・栗東の倉庫で店を始めたときの様子。まだ名前すらなく、看板も掲げていなかった。

社員にそう話した2日後に開店するスピード感だった。お試しなので、看板もなければ宣伝のためのチラシもまかない。ダンボールの上に商品を置いて簡単な値札を書き、道を歩く人に直接呼び込みを行った。

「隣が保育園だったので、『奥さんちょっといいものありますよ』と声をかけた。怪しいですよね(笑)。社内に小売りの経験者は全くいませんでしたし、お店屋さんごっこに近いレベルです」