虚無感を吹き飛ばす究極の質問

そういった毎日の安定した繰り返しの中で、自分なりにカレンダーをつくって、幸せや喜びを見つけていくことがベストですが、それでも退屈だなと虚しさが浮かんだときには、こんな質問を自分に投げかけてみてください。

撮影=Hiroshi Homma

「1カ月後に死ぬなら、今日何をするのか」

今も退屈だし、これからも退屈がつづきそうだ……とメンタルダウンしている人に、この問いはカンフル剤になります。1カ月後に死ぬんだったら今、悔いを残さず生きよう、今やりたいことって何だろう、明日をガラッと変えてみようという希望がわいてくるのではないかと思うのです。

人はなぜか自分は死なないと思っています。しかし実際に大病して、人生をシフトしたという人は多いですね。私の同世代の友人でも、病気をわずらったことで、街の暮らしは何かが違うということに気づいて、空気や水のきれいな田舎に引っ越して、農業をしながら自分の活動をしている人がいます。

毎日が退屈でなくなる“ある習慣”

それから「1カ月後に死ぬなら」と考えると、今持っている愛を、いったいどんな形で表現しようかと考えるようになります。私自身、人に対する感謝や感情を伝えきれないで死んでしまったということにはなるべくなりたくないと思っています。

この問いによって毎日、気持ちを表現していこうと思えるわけです。

毎日の生活が退屈だったり虚しくなったりするときは、もしかしたらその生活が当たり前になってしまって「感謝」を忘れているのかもしれません。

会社に入る前は、この会社に入りたいとたくさん努力して、試験にパスして、それで入れたときは感謝でいっぱいだったと思うんです。でも、それが時間とともに当たり前になってしまう。

初心に戻るには、やはり自分から感謝をすることが大切ですね。

そのいちばんシンプルな方法は、手を合わせることです。手のひらは身体の中でも繊細な部分ですから、両方の手のひらを合わせるというのは、繊細なもの同士が感じ合う、つまりお互いが気づき合ったり、認め合ったりできる行為なのです。

目を閉じて、両方の手のひらを合わせてみましょう。そのうち右手が左手を認め、左手が右手を認め、そこで深い呼吸をすると、徐々に手のひらにぬくもりを感じてきます。1分間ほど手を合わせていると、じわっとあたたかさを感じたり、時期によっては汗をかいたり、1分前と全く違う感覚になるでしょう。