不用品3「ソファ」

ソファは「憧れ」の象徴。リビングにソファがあることで、団欒があり、くつろぎがあり、もてなしの時間があると、私たちは「勘違い」しています。

はっきり申し上げて、ソファはまったくの無用です。

モノはそれぞれ「お役目」を持っています。日本の小さな住空間で、ソファのお役目を生かすことは簡単ではありません。本来、ソファは食後、ゆっくり会話しながらお茶を飲むためのもの。

ところが、私たちときたら……。ソファの前に腰を下ろし背もたれにするか、脱ぎ捨てた服と読みかけの雑誌の仮置き場にするか、ではないでしょうか。

写真=iStock.com/NoSystem images
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ソファは大空間に堂々と置かれなければなりません。ソファのまわりはぐるりと一周歩けるスペースがほしい。ペタッと壁にくっつけて収めるものではないのです。

また、住空間とソファの雰囲気がマッチしないこともしばしば。ケーキとおまんじゅうのように、そもそもテイストがちがうのです。たしかにソファでごろんとするのは気持ちいいですよね。私も何度か「失敗」をしてきたので、つい手を出したくなるのはわかります。

すでに持っているソファを取り除くのは、断捨離のなかでも上級編。ソファの断捨離までたどりつける人はごくわずかです。

そこで第一歩として、ソファの上にあるモノを取り除きましょう。モノ置き場でなく、身を置く場としてのお役目を復活させる。

そのうえで、ソファの本来のお役目をもう一度、自分自身に問いかけてみたいものです。

不用品4「飾り」

お気に入りの小物、家族の写真、季節の花……。インテリアとして、自分の思いの表現として、いろいろ飾るのは愉しいですよね。それらのモノ、ケアは行き届いていますか? モノは増えれば増えるほどその存在を消し、忘れ去られていく運命にあります。

「モノを飾る」ことにおいて、私がお手本にしているのが「お茶」の世界です。空間を、掛け軸と一輪のお茶花でしつらえ、一服のお茶を点てて季節を味わう。

お茶花の凛としたたたずまいが引き立つのは、その周囲に空間があるからです。余分なモノがごてごて飾られることなく、余計な計らい、過剰な演出もないからです。

あるのはさしずめ余白――。

いうまでもなく断捨離とは、余計なもの、余分なものを引き算していき、余白の美しさを愉しめるようになること。何もないからこそ、1つの置き物、一輪の花さえも、その存在を際立たせる力を持っているのです。