例えば、同じ臨済宗でも「●●派」に細かく枝分かれしている
また、浄土真宗や臨済宗、真言宗、日蓮宗はセクトが細かく分かれている。参考までに臨済系に例を取れば、以下のように細かい派に分かれている。
【臨済宗】妙心寺派3341カ寺、建長寺派407カ寺、円覚寺派210カ寺、南禅寺派424カ寺、方広寺派168カ寺、永源寺派129カ寺、佛通寺派51カ寺、東福寺派366カ寺、相国寺派111カ寺、建仁寺派69カ寺、天龍寺派102カ寺、向嶽寺派61カ寺、大徳寺派199カ寺、國泰寺派34カ寺、興聖寺派9カ寺
なお、近年、末寺(布教所、教会などを含む教団施設)の数を急激に減らしているのが、次に挙げる仏教系宗教団体である。ここ25年間の経年変化を、文化庁が発行している「宗教年鑑 1995(平成7)年版」と「2020(令和2)年版」を基に比べてみた。この中には伝統仏教教団の真言宗醍醐派や天台宗から独立した妙見宗などが含まれるが、多くが近代になって発足した新宗教である。
カリスマ性をもった教祖が昭和初期に、独自の新宗教団体を設立させた。その最大の新宗教が、法華経信仰から生まれた霊友会だ。さらに霊友会から独立したのが立正佼成会などである。
【天台系】石土宗53→38カ寺、妙見宗116→51カ寺、鞍馬弘宗41→19カ寺
【真言系】真言宗醍醐派1085→902カ寺、真言宗犬鳴派311→80カ寺、真言宗鳳閣寺派138→7カ寺、真言宗花山院派6→2カ寺、光明念佛身語聖宗236→59カ寺、真如苑184→15カ寺、卍教団485→86カ寺
【日蓮系】法華日蓮宗39→19カ寺、在家日蓮宗浄風会45→19カ寺、霊友会3942→2801カ寺、妙道会教団382→12カ寺、立正佼成会690→605カ寺、思親会190→69カ寺
【奈良仏教系】不動宗11→5カ寺
宗教施設数の減少傾向を見る限り、新宗教も厳しい運営を迫られているようだ。新宗教の場合、戦後の高度成長期において、菩提寺をもたない分家筋や、都会に出てきた核家族をターゲットにして勢力を拡大してきた。だが、近年の少子高齢化傾向によって教団運営に赤信号が灯っている。
宗教再編の時代は、すぐそこにまで迫ってきている。