「君が代」シーンを放送したテレビ局に非難が殺到
韓国では、日本の国歌が流れただけで放送局の番組が処罰されたりします。もっとも最近の事例が、二〇一八年平昌冬季オリンピック当時、韓国の地上波放送SBSが、日本の高木菜那選手が金メダルを授与され、「君が代」が流れるシーンを放送しました。韓国選手が銅メダルを獲得していたためです。
同じ表彰式を中継していた他の地上波放送局は、それぞれ「君が代」と日本人選手の受賞シーンをカットしました。MBCは他種目の韓国選手が金メダルを受けるシーンを再放送し、日本でいうとNHKのような立場であるKBSも、広告を送出しました。
SBSには、非難が殺到しました。放送通信審議委員会はSBSを審議しましたが、結局、処罰はありませんでした。バラエティ番組で「君が代」を流した番組は審議の結果、処罰(警告処分)されたことがあるので、この結果は世論に叩かれました。でも、七月二十四日の「イーデイリー」は、二〇一六年リオデジャネイロオリンピック閉会式でも次期開催国である日本を紹介する映像で「君が代」が流れたし、二〇一四年ボクシングの試合でも「君が代」演奏が放送されたものの、当時も「国際競技イベントの生中継だから」という理由で、処罰はされませんでした。
言い換えれば、国際的なスポーツイベント、試合、表彰などの中継なら問題ないけど、それ以外、特に録画番組のように事前に消す(何か別のものに編集する)ことができる場合は、「君が代は法定制裁対象」ということになります。
MISIAさんが歌った「君が代」に猛攻撃
もうこれだけでも「敵国」扱いなのが分かりますが、それでもこのような審議結果があるせいか、国際大会での「君が代」は、そこまで問題になりませんでした。特に、日本で開かれた国際大会で日本の国歌が流れたことに問題が提起されたという記事は、少なくとも私は見た記憶がありません。
韓国とて、国際大会で日本の応援団が旭日旗を使うと問題提起しますが、日の丸には文句を言いません。日の丸は日本の国旗だから、さすがに日本側が日本の国旗を使うことにまで文句を言うわけにはいきません。
ですが、今回は開会式でMISIAさんが歌った「君が代」に対し、韓国マスコミは猛攻撃を浴びせました。「君が代は、天皇(原文では「日王」)を賛美する内容を盛り込んだ、帝国主義時代の日本の国歌だった。一九九九年に国旗・国歌に関する法律により、国に法制化され、入学式や卒業式などで提唱しなければならなくなった。旭日昇天旗とともに、日本帝国主義の代表的な象徴として挙げられている「君が代」を、東京オリンピックの開会式で歌いながらも、日本政府と大会組織委員会は、平和と調和の象徴となるべきオリンピックを始めたのだ」(七月二十三日/「ニュース1」)などです。