「好きなこと」をビジネスにするには
副業では、必ずしも「本業で磨いたスキル」だけでなく、プライベートの趣味や好きなことをビジネスにすることができます。
例えば、高校まで部活で野球をやっていて、キッチリと基礎を詰め込まれているのであれば、初心者や子どもにとって講師とするには十分なレベルです。元プロだったり、甲子園に出場していたりする必要はないのです。
どちらかといえば、プレーヤーとしての実績よりも「教え方がうまい」とか「キャラがいい」とか「野球に関するおもしろいコンテンツを発信していて名が売れている」ほうが、指導を希望する人は集まるでしょう。
キャンプや釣りなどのアウトドアも、知識はWEBでいくらでも調べられますが、実は情報量が膨大で、すべてを網羅しようとすると結構な時間がかかります。その点、実際にキャンプや釣りに詳しい人が同行して教えてくれたら、学ぶ時間を取らずに体験のなかで学べるのですからニーズがあると思います。
僕もよく利用するサービスなのですが、「ストリートアカデミー」(通称「ストアカ」)という学びのプラットフォームがあります。多くのプロ・アマ指導者が集まり、スポーツからフィットネス、武術、ビジネススキルなど、様々な有料レッスンの受講者を募集しています。こうしたサービスを利用することで、あなたにできる範囲からレッスンを開催し、収益を得ることができます。
ユーチューバーのゲーム実況動画などもそうですが、「好き」をマネタイズするビジネスがエンターテインメントとして無数に提供されています。多くのジャンルがすでにレッドオーシャンだとは思いますが、未開拓のニッチな分野を見つければ、「好き」に基づくコンテンツは強い集客力を発揮できます。
「作業」もニーズ次第で稼げる「代行」になる
さらに、仕事で培ったスキルや突き詰めた趣味でなくても、ただの“作業”でさえニーズがあれば副業としてのビジネスになります。
引っ越しだって、自分たちでやろうと思えばできますが、それが大変で嫌だから業者に依頼するのです。それほど労力の大きいものではなくても、アイデア次第で様々な「作業」を「代行サービス」として展開することができます。
例えば僕は学生時代に、アルバイト代わりにステレオの配線代行をやっていました。仕組みがわかっていれば簡単なのですが、はじめての人には不安ですし、雑な接続をすると音質にも悪影響を及ぼします。知人づてのクチコミや、近所にチラシを撒くだけで多くの依頼をもらえて、30分程度で5000円ももらえるのですから、学生としては破格の収益でした。
同じように、イケアなどで購入する重い家具の組み立ては女性や高齢者には困難ですから、男手は重宝されると思います。パソコンのセッティングやWi-Fiの設定も商売になるでしょう。
こうしたサービスは訪問型なので、移動距離が長いと生産性が悪くなります。「ジモティー」など地域を絞ってスキルや商品を提供できるWEBサービスを活用すれば、小遣い稼ぎにはちょうどいいと思います。
ただし、雑用で本格的に稼ぐのは、ちょっと困難かもしれません。雑用に過ぎない分、1件あたりを大きな金額にはできないからです。専業としてフルコミットすれば暮らしていくのには困りませんが、あくまで副業とするならアルバイト程度の収益でしょう。
ただ、専門性の高い作業の代行サービスであれば、稼ぎは大きくなります。家具の組み立てでは5000円程度ですが、「会社の社内LANを組んでほしい」とか、「孫の運動会のビデオを編集してほしい」という依頼であれば、10倍の5万円は期待できるはずです。