副業を始めるならどのような仕事がいいか。放送作家でコンサルタントの野呂エイシロウさんは「本業の専門スキルをいかした個人事業をするのが最適解だ。本業との相乗効果が高く、なにより自信を持って取り組める」という――。

※本稿は、野呂エイシロウ『副業は、自己PRがすべて。』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

紙幣の上の人形
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副業ではなく“複業”を目指す

「副業」というと、どうしても小さなスケールで考えてしまいがちです。

例えば、本業での月収が30万円に対し、副業は5万円〜10万円程度のイメージを持ってはいませんか? ですが、実際に副業で成功している人は、本業と同等、あるいは2倍、3倍と稼いでいることも珍しくありません。

そうなると、副業というより“複業”であって、どちらが本業というわけでもなくなるのです。会社員の人は、給与と同程度に稼いでいる自分のビジネスがあれば、仮にリストラにあっても生活に困ることはありません。

もうひとつの仕事を持つことの価値は、「小遣い稼ぎ」や「たくさん儲ける」という以上に、収入源を複数持つことによる「リスクヘッジ」なのです。この感覚は、一見、不安定に思えるフリーランスで仕事をしている人は強く実感していることです。

会社員だと給与しか収入源がなく、1本のロープで自分を支えているようなものです。そのロープが半永久的に切れることのないものならいいですが、先に述べたように、いまは大企業の太いロープさえほころびが見えています。万が一切れてしまえば、谷底に真っ逆さまです。

ですが、フリーランスで個人事業をはじめ、様々な企業からの細い収入源をたくさんつくると、1本1本のロープは細くとも、まるでネットのような安定感を生み出すのです。

社会情勢の変化によって取引先が潰れても、仕事で失敗して取引契約を解除されても、あるいは、我慢できない不義理をされて自分から仕事を絶っても、まだいくつも収入源があれば安心して仕事を続けることができます。

会社員の副業だってそれと同じことです。給与は1社からしか支払われませんが、個人事業主として行う副業では、いくつもの会社や個人が収入源となります。

それが、変動の大きないまの時代に安定的な収入を確保する手段となるのです。