与野党の候補はともに「アウトサイダー」の存在

11月6日付の読売新聞の社説は「来年3月の韓国大統領選に向けて、主要政党の公認候補が出揃った。文在寅政権が残した内政や外交の懸案にどう取り組み、政治の刷新を果たしていくかが選挙戦で問われることになろう」と書き出す。

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日本の立場から言えば、解決しなければならない「文在寅政権が残した懸案」は徴用工訴訟と慰安婦問題だ。繰り返すが、文在寅大統領はこの2つを政治利用し、韓国国民の反日感情を煽り立てた。その目的は政権の維持と強化にあった。

読売社説は指摘する。

「注目されるのは、与野党の候補が共に、既存の政治から距離を置く『アウトサイダー』の存在であることだ。文政権の政策の行き詰まりや、政治の変化を求める国民の声が背景にあると言える」

「アウトサイダー」とは実におもしろい見方だ。日本から見ると、韓国の政治家はアウトサイダーばかりだ。反日種族主義(反日トライバリズム)に固まった文在寅大統領がその代表格だ。歴代の韓国大統領は大統領職を辞すると決まったように逮捕され、有罪判決が下される。日本では考えられない、異常な事態を生む政治風土が韓国にはある。

「政治の素人」だが、検事総長まで上り詰めた人物

読売社説はアウトサイダーの政治家が人気を博す理由をこう指摘する。

「文政権では、1980年代の反軍事政権運動に参加した元学生活動家が要職を占めてきた。李氏の選出は、元活動家らが長い政治活動を通じて既得権益層と化し、国民の支持を失いつつある現実を反映しているのではないか」
「野党側の尹氏も、政治経験が全くない異色の候補だ。検事総長時代に文政権の検察改革に抵抗したことで注目を集めた。わずか4カ月前に大統領選出馬を表明し、予備選で勝利したのは、保守陣営の人材不足の裏返しでもあろう」

「国民の支持を失いつつある現実を反映」はうなずけるが、「保守陣営の人材不足の裏返し」はどうだろうか。野党、国民の力の予備選には複数の候補がいたではないか。

さらに読売社説は「尹氏は党内の討論会などで失言を繰り返し、『政治の素人』の弱さが出た。政権を担うに足る識見が今後試されることになる」と書く。

しかし、「政治の素人」とは言え、海千山千の韓国政界で文在寅大統領に気に入られて検事総長まで上り詰めた人物である。李氏よりは日韓関係の改善面で期待はできるはずだ。

最後に読売社説は訴える。

「李氏は、文氏の路線をどう見直すのか。尹氏は、北朝鮮の脅威に日米韓連携で対処する保守陣営の政策を維持するのか。日本にとっても注視すべき点だ」
「予備選ではスキャンダル攻撃が目立った。両候補には本選に向けて建設的な論戦を期待したい」

来年3月の大統領選の結果がどうなるか。目が離せない。