頻出する単語は「日本」「中国」「#kokkai」
さらに、立命館大学教授、樋口耕一氏が開発したテキスト分析ツール「KH Coder」を使って、「Dappi」のツイートの特徴を探ってみた。まずは、投稿のテキストから頻出単語を抜き出した。引用の体裁が多くを占めるため、それらを含んだ結果となる(※「言う」「思う」などの一般的な動詞、政治家以外の人名などは除外している)。
ツイートの中で最も出現頻度の高い単語は「日本」(1292回)、次いで「中国」(977回)、そして国会審議を投稿するときに使うハッシュタグの「#kokkai」(678回)。これに続くのが「立憲」「立憲民主党」(計637回)、さらに「国民」(493回)、「野党」(464回)、「安倍総理」「安倍前総理」「安倍」「安倍首相」(計364回)だ。
それらがどんな文脈で語られているのか。共通して出現する単語の関係をグラフ化する「共起ネットワーク」を「KH Coder」で調べた(図表1)。
最も強く結びついていたのは「日本」と「中国」で、そのいずれともつながっているのが「尖閣」「守る」。ハッシュタグの「#kokkai」と結びつきが強いのは「立憲民主党」「立憲」そして「野党」と「国民」。やや結びつきは弱くなるが、「#kokkai」とは「安倍総理」「コロナ」もつながっている。これとは別に「朝日」「朝日新聞」も計359回と出現頻度は比較的高く、強く結びついていたのは「慰安婦」だった。
業務としてツイートしていた可能性も
「日本が大好きです。/偏向報道をするマスコミは嫌いです。/国会中継を見てます。」。「Dappi」のプロフィール欄には、そんな自己紹介がある。その紹介通りの投稿内容といえる。
すでにバズフィード・ニュースの籏智広太氏や東京大学教授の鳥海不二夫氏が検証しているが、ツイートの投稿時間は、平日の日中が顕著に多い。改めて筆者も確認してみたが、ダウンロードしたツイート全体の82%に当たる2593件が、月曜日から金曜日の午前9時台から午後7時台の間に投稿されており、中でも週末金曜日の午後4時台が70件と最も頻繁に投稿されていた(図表2)。
「Dappi」がソーシャルメディアを使った情報工作だったかどうかは不明だが、ツイートを業務として行っていた可能性はありそうだ。