「Dappi」は何を呟いていたのか

「【お知らせ】/TwitterアカウントDappi(@dappi2019)の名誉毀損のツイートについて、東京地方裁判所の発信者情報開示を認める判決を受けて、プロバイダから発信者情報(法人名、所在地 等)が開示されました。/本日、発信者に対し、損害賠償等を求める訴訟を東京地方裁判所に提起いたしました」

立憲民主党参院議員の小西洋之氏は10月6日夕、ツイッターにそう投稿している。「Dappi」のアカウントは昨年10月25日、新聞コラムの要約のような体裁で、財務省の公文書改ざん問題に絡む近畿財務局職員の自死に、小西氏と同党参院議員の杉尾秀哉氏が関与していたかのような内容を書き込んでいたが、そのような事実はなかったという。

「Dappi」というアカウントは、プロフィール欄によれば、2019年に開設。今年10月1日を最後に、投稿が停止している。民間の信用調査機関の情報として、取引先に「自由民主党」の記載がある、と報じられている。

「Dappi」のプロフィール欄にはブログと、ツイッターのまとめサイト「トゥギャッター」へのリンクもある。ただ、ブログは2020年9月、「トゥギャッター」も2019年7月を最後に投稿が止まっている。

「Dappi」はこれまで、どんな内容をツイートしてきたのか。「Vicinitas」というソーシャルメディアの分析サービスを使い、「Dappi」のアカウントが投稿した2020年2月19日以降、今年10月1日までのツイート3162件をダウンロードした(ツイッターの仕様でダウンロードに3200件という上限がある)。リツイートを除いた投稿数は2653件だった。

166件にわたり安倍晋三氏の発言に言及

「Dappi」の投稿の特徴は、政治家やジャーナリストらの名前を挙げて、その発言を引用するような体裁を取り、その発言に対するコメントを加える、というスタイルだ。投稿にはしばしば発言者とされる政治家らの動画などもつけられている。

この中で、リツイート、「いいね」ともに最も多かったのは、2020年3月5日午前10時24分に参院予算委員会での自民党、小野田紀美氏の発言の要旨を、動画とともに紹介したものだ。小野田氏が、新型コロナの感染状況についてマスコミが「事実と違う報道」で国民の不安を煽っている、と指摘したとし、「よく言った!」とコメントしている。リツイートは3万4794件、「いいね」は8万2868件だった(※2021年11月10日現在、以下同)

これに次いでリツイート、「いいね」が多かった(2万6377件と7万1734件)のは、2020年4月29日午後3時過ぎの立憲民主党参院議員、蓮舫氏に関する投稿だ。この日の参院予算委員会で蓮舫氏が「学校を辞めたら高卒になる」などと発言したことを取り上げたもので、「Dappi」は「しれっと高卒を馬鹿にする蓮舫」とコメントしていた。

「Dappi」が最も多く取り上げていたのは安倍晋三氏の発言で、「安倍総理」「安倍前総理」「安倍前総裁」を合わせて166件に上った。