次世代の自動車に欠かせない部品で世界シェアトップ

また、現時点で既にクルマ1台に100個以上の制御用コンピューターが搭載される例が出てきているそうだが、さらに、ハイブリッド車やEV、自動運転車の場合は、高電圧の電力を制御する電子回路が多数搭載されるため、高度な電気・電子回路の多様化と増加が見込まれる。

エミン・ユルマズ『米中覇権戦争で加速する世界秩序の再編 日本経済復活への新シナリオ』(KADOKAWA)

同社の車載用MLCCの市場シェアは50%を占め、技術開発において圧倒的に世界をリードしている。その技術と製品開発は、近未来車のアプリケーションの展開にも大きく作用するものと思われる。

従来のクルマは高度な機械技術の集合体だった。これに対して次世代のクルマは「走るコンピューター」、つまり「半導体の塊」という全く異なる形に変貌しようとしており、これに伴って村田製作所のMLCCはさらに欠かせないものになるはずだ。なお、TDKや太陽誘電、京セラも同様のMLCCを手掛けている。

わずか数ミリメートル角の半導体を製造するには、それに付随するシリコンウエハーやセラミックコンデンサの他にも、カメラメーカー、クリーンルームメーカー、超硬質カッターメーカーなど、東京・蒲田や東大阪などの日本の中小企業の優れた技術が欠かせないことも付け加えておきたい。

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