「中学受験で成功」するためのコツは各家庭それぞれ

Q:漫画の冒頭に‟第1志望に合格する割合は3割”という衝撃的な数字が出てきます。ズバリ受験を成功させるコツはありますか?

A:何をもって成功とするかは、ご家庭ごとにさまざまだと思います。

高瀬志帆『二月の勝者―絶対合格の教室―』(小学館)

たしかに中学受験で第1志望校に合格する子は3割といわれていますが、例えば実力より少し高いレベルの学校を「挑戦校」として、第1志望に選んだ場合、第1志望校への合格率は下がります。そうした子供たちが第2志望、第3志望の学校に進学するのは残念なのかというと、そうではないと思います。

ご家庭で話し合って、首都圏だけでも約200ある中高一貫校の中から選んだ受験校ですから、多くの子が自分で選んだ学校に通えているとも言えると思います。

「この学校に合格したい!」という目標を持ってまっすぐ進むのもいいですし、いろいろな学校を並行して目指し、選んでいくのもいいと思います。

最終的に、子供ががんばった結果に対して、皆でよかったねと言える受験になる、それも一つの成功の形だと思います。

泣いたり怒ったりしながら、親子で頑張っている

Q:これから、中学受験の本番の季節を迎えます。実際に受験に励んでいる親子に、激励のメッセージをお願いします。

A:6年生の皆さんは、いよいよラストスパートですね。保護者の皆さんにとっても、受験本番が近づくにつれ、抱えている悩みがそれぞれ違うせいか、孤独を感じてしまう場面も増えるかもしれません。

本作の中でも、トップ校を目指す子ばかりでなく、勉強に苦手意識を持っている子、塾の授業に身が入らない子、小学校になじめず保健室登校をしている子など、いろいろな生徒とその家庭が登場して、時に泣いたり、時には怒ったりしながら、親子でがんばっている姿を描いています。

漫画はあくまでもフィクションですが、そんなときに少しでも、こういうのは「あるある」なんだとか、苦しいのは自分だけではないとか、感じていただくきっかけになれれば嬉しく思います。

そして、すべての受験生とご家族が、身体的にも精神的にも、健康で万全な状態のまま本番の日を迎えられるよう、心からお祈りしています。

(構成=尾関友詩)
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