「恨むなら上を恨んでくれ」という卑怯な態度

「上が言っていることだから」が口ぐせの中間管理職は、たくさん存在します。

写真=iStock.com/Milatas
※写真はイメージです

では、「上が言っていることだから」が口ぐせの上司は、どんな人なのでしょうか。

「上が言っていることだから」と、何でも上のせいにしてしまうのは、「自分のことは、恨むなよ。恨むならその上を恨んでくれ」という卑怯な態度の現れです。また、虎の威を借る狐と一緒で、上役の権力を盾にして優位な立場に立ちたいのでしょう。

「上が言っていることだから」のセリフは、実は大変強力なパワーワードです。何せ、部下が何を言っても、その言葉さえ使えば、部下の追及をかわすことができるのですから。部下が上司に疑問や質問を投げかけても、「それは上が決めたことだから」「上が言っているからね」と言ってしまえば、部下は納得せざるを得ません。いうなれば、部下をねじ伏せるパワーワードなのです。

このようにして部下を支配下におきたいという欲求は、自分が優位に立ちたい、相手を思い通りにしたいという自己愛型の典型的思考でもあります。

「あなたはどう思っているのですか?」

では、そのように言われた部下は押し黙るしかないのでしょうか。先ほど、上司に「上が言っていることだから」と言われた部下は、納得せざるを得ない、と書きました。確かに会社組織に生きている以上、上からの命令には従うしかないのですが、パワーワードを使う上司に一矢報いることはできます。

「上の意見はわかりましたが、あなたはどう思っているのですか?」と、上司に直接聞いてみるのです。「そんなこと上司に聞けるわけがない」と思うかもしれませんが、聞き方さえ注意すれば上司を怒らせることはありません。