備蓄エネルギーを被災地に運べることが重要
東日本大震災は、日本のエネルギー安定供給に大きな落とし穴があることを明らかにした。これまで、エネルギー安定供給というと、原油や天然ガス、LPガス、石炭の確保、あるいはそれらの国内での備蓄が主要な関心事であり、外にばかり目を向けてきた。
しかし、今回の震災では、国内にエネルギー源があっても、それを被災地に運ぶことができない点が問題になり、「内なるエネルギー安定供給」の重要性が浮き彫りになった。
この内なるエネルギー安定供給の充実を図るうえで、LPガスは、きわめて重要な役割をはたす。その役割は、災害時の初期対応において、とくに顕著である。
災害直後、被災者の生命を救うためにLPガスを活用するうえでは、写真にあるような「災害対応LPガスバルク供給ユニット」を普及させることが、大切である。
「災害対応LPガスバルク供給ユニット」とは、日常的に多くのガスを使用する小・中学校、福祉施設、病院、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ファミリーレストランなどを対象にした、LPガスの供給設備システムのことである。
これらの施設の管理者ないし事業者が、この供給ユニットを設置しておけば、平常時に光熱エネルギー源として利用できるだけでなく、災害時に避難所・支援所としての機能を求められたときには、炊き出しや暖房、給湯、発電などにも使えるというものである。