突然告げられた「もう会えない、ごめん」

そこでYさんは、不倫の費用を全面的に負担することを彼に提案したのだった。「はじめのうちは、彼も『ラッキー!』と私におごられることをよろこんでいました。でも、次第に態度が変わっていったんです。『年下の女性に平気で金を出させる男なんて、付き合っていても面白くないだろう?』などと卑屈になっていくのがつらかった」。

その後も順調に仕事で成功し、独立の話まで現実的になりはじめたYさんに対し、彼のほうはますますいじける態度を強めていった。

「しまいには、私の努力と才能だけじゃなく、運のよさにまで嫉妬するようになった」とYさん。それでも不倫を続けたかったが、しばらくすると意外なことに彼のほうから一方的に別れを告げられたのだった。「子どもを習い事に通わせるための時間とお金が必要になったから、Y子とはもう会えない。ごめん」と。

あっけにとられたYさんはとっさに「お金なら私が出すから問題ないよ。私は好きだからこれからも会いたいと思っている」と伝えたところ、あまりのYさんの必死さにおそれをなしたのか、彼はこう言ったという。「やっぱり仕事ができる女より、家のことをしっかりやって男を立ててくれる女のほうが俺には合ってるわ」。

結局、4年間の不倫関係を不本意ながらも終わらせることになったYさんは、今も情けない気分だと話す。「安いラブホテルか居酒屋かしか行けないほどショボい不倫だったのに、それすら続けられなかった彼の経済力のなさが残念でならない。そんな不倫の沼にはまった自分にも後悔しています」。

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パーティーで出会った“元モデル”年下女性と不倫

【CASE2】“金持ち不倫”のケース

自営業のWさん(当時48歳)が不倫相手のK子と出会ったのは、Wさんの所有するクルーザーに彼の友人を招待してパーティーを開催した時のことだった。Wさんの友人は既婚者だったが元モデルの愛人をつれて現れ、その時一緒にいたのがモデル仲間だったというK子だったのだ。「今にして思えば、K子は“パパ活”をしていたのだろう、と。でも、その時は元モデルという華やかな経歴を持つ若い子と付き合えることに興奮していました」。

Wさんは結婚して20年以上になる妻と大学生の子供がいたが、自分より10歳以上年下のK子との不倫にのめり込んでいった。ビジネスが波に乗っていたこともあり、K子のリクエストはなんでも聞き入れ、一流店といわれるレストランでの食事はもちろん、頻繁に海外旅行に連れて行ったり、ブランド品を買い与えたりもした。「K子のことをわがままだと思わなくもなかったけれど、自分が愛人のわがままに応えてやれることに、男として満足していました」。

Wさんが窮地におちいったのは、不倫から1年後のことだった。ささいなことが原因でケンカをした後、「仲直りの印にプレゼントしてほしい」とK子からねだられ、Wさんは銀座のショップでブランドのバッグを注文した。Wさんいわく、「バッグの値段は、新車の軽自動車1台分くらいだと思う」。