瀬戸際戦術は、北朝鮮の常套手段

北朝鮮の弾道ミサイル発射について9月16日付の産経新聞の社説(主張)は「挑発阻止へ圧力の強化を」との見出しを掲げ、こう訴える。

「国連安保理は速やかに会合を開いて、さらなる制裁措置を講ずるべきだ。その際、北朝鮮が13日に発射実験を発表した新型長距離巡航ミサイルへの対応も、議論の俎上に載せてもらいたい」

沙鴎一歩は、国連安全保障理事会による「さらなる制裁措置」には賛成だ。これまでの制裁が効いているから、北朝鮮は反発してミサイルを打ち上げるのである。

産経社説は「軍事挑発をてこに、米国や日本などから制裁緩和を引き出そうとする瀬戸際戦術は、北朝鮮の常套手段だ」と指摘し、「挑発を重ねて日米など国際社会の反応をうかがっているが、決して許してはならない」とも主張するが、その通りである。

産経社説は「敵基地攻撃能力の保有も決断すべきだ」と主張

さらに産経社説は指摘する。

「北朝鮮の脅威は、日本列島を越える弾道ミサイルを相次いで発射し、露骨な軍事的恫喝をかけてきた頃よりも増している」
「北朝鮮に核・ミサイル戦力を放棄させるため、日本政府は国際社会を主導すべきだ。安保理へ制裁強化を働きかけるとともに、バイデン米政権と協議して、経済、軍事両面で圧力をかけていく路線に復帰しなくてはならない」

確かに北朝鮮の脅威は増大している。ミサイルの射程下にある日本が国際社会をリードしたいものである。

最後に産経社説は「日本自身の防衛力強化は急務だ。弾道ミサイルに加え、巡航ミサイルを撃ち落とす態勢を整えるのは当然だが、敵基地攻撃能力の保有も決断すべきだ。それが抑止力を格段に高める道である」とも主張する。

敵基地攻撃能力の保有は、単なる抑止にとどまらずに北朝鮮を大きく刺激することにもなる。慎重な議論が求められるだろう。