苦戦する飲食業界で稼いでいるのはどこか

それでは問題です。

コロナ環境下で飲食業が全体的に苦戦していますが、中には非常に高い営業利益率を維持している企業も存在します。

この高い営業利益率を維持している企業は下記の3つの企業のうち、どの企業でしょうか?(各社共に2020年度の年次決算数値を利用)

・イタリアンレストランを展開するサイゼリヤ
・「吉野家」をはじめとした牛丼チェーンを展開する吉野家HD(ホールディングス)
・喫茶店「コメダ珈琲店」を展開するコメダHD

図表=筆者作成

高い利益率を維持しているコメダHD

それでは正解の発表です。正解は喫茶店「コメダ珈琲店」を展開するコメダHDでした。

コメダHDは、コロナ影響を受けた2021年2月決算でも、営業利益率19%と非常に高い利益率を維持しています。多くの飲食業が苦戦する中、どうしてコメダHDはこれほど高い収益性を維持することができるのかを解説していきます。

図表=筆者作成

まずは、コロナの影響の有無を確認するため、コロナ前後の売上高の推移を確認していきます。

コメダHDのコロナがはやる前の2020年2月決算の売上高は312億円で、コロナがはやった今期の2021年2月決算の売上高は288億円でした。売上高は前期に比べて約7.6%も減少しており、減少の一番の理由はコロナの影響による客数の落ち込みとのことです。

飲食業の売上高の変数は「客数」と「客単価」の掛け算であり、緊急事態宣言や蔓延防止策による臨時休業や時短営業は「客数」に大きな影響を与えます。コメダ珈琲店も多くの店舗で休業や時短営業という措置を取ったことから、客数が例年に比べ減少してしまっています。

従って、高収益を維持しているコメダHDも、コロナの影響をしっかり受けていることがわかります。

図表=筆者作成