資産形成に向かない投資信託の3タイプ
金融庁は、『長期・分散・積立投資』による資産形成に向かない投資信託として、以下のタイプの投信を示しています。
・レバレッジをかけたもの
・毎月分配型のもの
まず、「長期投資」を行うわけですから、投資信託の運用期間が短い商品は対象にはなりません。金融庁によれば、信託期間20年未満のものが投信全体の約8割に上るとのことです。これらは不適格になります。
次に、日経平均の2~3倍の値動きをするなど複雑でリスクの高いレバレッジ型の商品も、『長期・分散・積立投資』には不向きです。
さらに、運用収益の一部を毎月受け取れる「毎月分配型」も対象外です。
実は、これが売れ筋商品の約9割を占めているのです。
しかし、資産形成を行う場合には、収益は受け取るのではなく再投資に回すことで、複利効果を狙うことが重要です。
複利効果は、長期投資において大きな効果を発揮します。
同一の投資信託への投資において、決算で生じる収益金を分配金として受け取った場合と、受け取らず再投資に回した場合では、最終的な受取金額に大きな差が出るのです。
『長期・分散・積立投資』による資産形成を成功させる5つのポイントの④「中途で分配金を受け取ることなく」は、分配型投信を排除することで満たすことができます。
成功のための5つのポイントの⑤に「手数料の安い商品を選ぶ」を挙げましたが、実は、手数料は皆さんの想像以上に運用結果に大きな影響を与えます。
金融庁も、手数料についてもいくつかの要件を課し、手数料が一定以下に抑えられていることを、推奨の条件としています。
このようなスクリーニングの結果、金融庁は、6000種類を超える投資信託の中から、『長期・分散・積立投資』に適した商品として、192本を選んでいるのです。