自動引き落とし・天引きが一番

筆者は、13年前から1月も休まず『長期・分散・積立投資』と続けていますが、13年前の手取り年収の10%を年間の投資額の上限と考え、その範囲内で年間の投資額を決め、それを12で割った金額を毎月の積立額としてきました。

お金
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世界的なロングセラーの『バビロン大富豪の教え』という本にある「資産形成のためには、収入の10分の9でやり繰りし、残りの1を運用に回すべし」という“教え”に従ったものです。

「人間の欲望に際限はなくお金があればそれを使ってしまうが、10ではなく9の範囲で生活をしようと思えば何とかやりくりをするもの」であり、「残りの1は蓄えや運用に回すことができる」

という教えは、筆者にとっては理解しやすく、また実践しやすいものでした。

次に、資産運用を行う証券会社や銀行を決め、自動引き落としを設定してください。

定時定額で「積立投資」を行うためには、自動引き落としにするのが一番です。

忙しいビジネスパーソンは、毎月1回の投資手続きも忘れてしまいがちです。自動引き落としにすることにより、積立をうっかり忘れてしまう可能性を排除することができます。

また、趣味や遊興費がかさむ月や買いたいものがある場合など、積立用の資金をそちらに融通してしまうことも、自動引き落とし・自動積立なら避けることができます。

資産形成の成功の鍵である「定時定額の積立投資」から外れてしまうことは絶対に避けなければなりません。

揺らぎがちな意志を補強し、ルールから逸脱することを防ぐには、証券会社や銀行の「自動積立サービス」やiDeCo(個人型確定拠出年金)による給与天引きを利用するのが一番です。

金融庁推薦の192本の投資信託

次は、いよいよ投資商品の選定です。

5つのポイントの③は、「分散が効き、長期投資が可能な商品」を選ぶことです。

結論を言えば、さまざまな金融商品の中で『長期・分散・積立投資』に最適なのは、投資信託です。より正確に言うと、投資信託の中のごく一部だけが投資対象の候補です。

実は、現在、わが国には6000種類を超える投資信託があります。

この中から選べ、と言われても私たち普通の市民に判断することは困難です。

幸い、金融庁がそのホームページにおいて、私たち普通の市民が『長期・分散・積立投資』に活用できる投資信託を192本(ETFを除く)にまで絞り込んでくれています。この中から選べば良いのです。