次の経済危機に、政府は備えているのか
例えば、米国は昨年4~6月期に31.4%も落ち込んだが、その後、7~9月期以降はプラス成長が続き、新型コロナ前の2019年10-12月期)の水準を上回った。一方の日本は2019年10月の消費増税前の7~9月期の水準を3.4%、年換算で19兆円あまり下回ったままだ。政府は「年内」にコロナ前に回復するとしているが、暗雲が漂っている。
経済的な影響が深刻になった場合、最悪のケースを想定して政府は備えているのだろうか。2020年4月には国民ひとり一律10万円の特別定額給付金の支給を決めたが、行き渡るまでに数カ月を要するなど大混乱した。次の経済危機が来た時には、本当に必要な人に、必要な分の給付を行うことができるのか。システムの整備など準備はできているのか。米国は定額給付金の支給をすでに3回行った上、失業者には手厚い失業手当を給付した。その結果、消費が盛り上がり、経済が急速に回復している。
菅首相が頼みにするワクチンが効かない変異株が登場する最悪の事態が来たらどうするのか。最悪の事態を想定し、法律を整備して備えておくのが、政府とトップである首相に課せられた役割だろう。