請求から4~5カ月経過……母親から電話がかかってきた
請求から4~5カ月がたった頃、母親から電話で連絡がありました。
「おかげさまで障害年金が認められました。ご相談する前はもう駄目かと諦めていましたが、先生(筆者)に相談して本当によかったです。長女もとても感謝しています。年金が出たおかげで長女も少しは気持ちに余裕が出てきたようです。今は親子で就労支援を受けるための情報収集をしています」
そう話す母親の声は明るく軽やかなものでした。母親から連絡をもらい、筆者もほっと胸をなで下ろすことができました。
今回のケースでは、長女は障害年金を受給することができましたが、すべてのケースでうまくいくとは限りません。手を尽くしても残念ながら受給することができなかった、ということもあります。それでも家族だけで何とかしようとするより、専門家の力も借りてみる方が受給の可能性が高くなることがあるのです。
最後にお話は変わりますが、筆者はご相談時に「お子さんの国民年金の加入状況はどのようになっていますか?」と質問をすることにしています。すると「子どもに任せているので知りません」や「年金制度は難しいのでよくわかりません」といった回答をする家族もいます。
国民年金は、たとえ子どもが働けずに収入がなくても20歳から60歳までの40年間は加入する義務があります。国民年金は子どもの大事な収入源になりますし、障害年金では保険料の納付要件を問われてしまいます。
いま一度「お子さんの国民年金の加入状況はどのようになっているのか?」を親子で確認しておきたいところです。
確認方法としては、誕生月に送られてくる『ねんきん定期便』または日本年金機構が運営している『ねんきんネット』があります。インターネットを活用したねんきんネットは初回の登録に少し手間はかかりますが、24時間365日いつでも利用することができるので非常に便利です。
もし、子どもの国民年金の保険料が支払われておらず、さらに免除や猶予の手続きもしていないことが判明したら、すみやかに市区町村役場の年金課または年金事務所の国民年金課で相談をするようにしましょう。