コンビニなどで思わず手に取ってしまう人は注意

最近は、会社のなかにも自動販売機が置いてあるし、たとえなくても数歩歩けばコンビニエンスストアがある。そこではあふれるほどの清涼飲料水を売っているのだ。無意識に、不用意に、習慣のようにそういうものを飲んでいるなら、やめた方がいい。コマーシャルに絡めとられて、自分の意思ではないところで動いていないか、または動かされていないか、検証してみてほしい。

写真=iStock.com/Dony
※写真はイメージです

それが人生にプラスになっているならいいのだが、無自覚に行動をとった結果、身体がむしばまれたり、人生が本来あるべきでない方向にねじ曲げられてしまったり、最終的に使わなくていい高額の医療費を使うことに結びつくなら、きちんと前もって考えておいた方がいいだろう。

何者かに支配された人生など送りたくないではないか。

糖尿病の死亡例は低所得国ほど多い

アメリカの保健指標評価研究所が2010年に発表した「世界疾病負荷調査報告書」によると、糖分を含む飲みものの過剰摂取が原因とされる糖尿病で死亡した例が世界で13万3000人、同じく心臓疾患で死亡した例が4万4000人、がんで死亡した例が6000人となっている。

しかもその78%は低所得国で発生しているという。つまり、言い方は悪いが、貧乏な国ほど糖分を含む飲みものの過剰摂取が原因で死亡する人が多いということだ。

日本でもいまはじりじりと貧困層が広がってきて、貧困率は16%を超えてしまった。社会が大きく二極化していることも貧困層を広げる原因になっていると言われているが、ともあれ、貧困層が広がっていることは確かだ。日本が低所得国、中所得国に加えられる日は近いかもしれない。

そうなったとき、いままでのような糖分を含む飲料の摂り方をしていたら、間違いなくこの報告書のデータに仲間入りしてしまう。

なぜ、低所得国で糖分入り飲料の影響が大きいかと言うと、貧しくて食べるものがなく、栄養のバランスが取れていないところに砂糖ばかりを大量に摂ってしまうからだ。

もう一つ重要な研究結果を紹介しよう。アメリカのプリンストン大学で行われたラットを使った実験である。ラットレベルではあるが、砂糖の過剰摂取が明らかに依存性を示すという結果が出たのだ。