ゴミの処分代は200万円を超えるかもしれない

「厄落としだと思って。きっと何かいいことがありますよ」

心から私はそう願い、口にした。

笹井恵里子『潜入・ゴミ屋敷 孤立社会が生む新しい病』(中央公論新社)

「ありがとう。涙でちゃうわ」

大家はそう言って、手入れの行き届いたマンションの外壁を見つめていた。

1週間後、3回目の作業を終えて、石見さんが現場の写真をメールで送ってくれた。

「まだまだかかりそう」と記されている。大家が支払うゴミの処分代は200万円を超えるかもしれない。

「災難、災難」

大家が自分に言い聞かせるようにつぶやいていた言葉が耳に残っている。(続く。第19回は7月9日15時公開予定)

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