宮崎県は「人間関係の悩みが極端に少ない幸福県」

宮崎県民の個人の悩みの上位を占めるのは、「低収入・低賃金」(41.5%、全国7位)、「貯蓄・投資」(28.7%、同4位)、「借金・ローン」(19.7%、同1位)など、経済や金銭に関する内容であることが、今回のブランド総合研究所の調査でわかっています。

その一方で、特筆すべきは、宮崎県では「人間関係に関する悩みが少ない」ということです。

人間関係に関する悩みを項目別に見てみましょう。宮崎県は「不登校・ひきこもり」全国42位(0.7%)、「家庭内暴力・DV・虐待・非行」同42位(0.2%)、「孤独」同44位(1.7%)、「パワハラ」同47位(1.6%)と、いずれの項目も、他県と比較して人間関係に関する悩みが少なかったのです。

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都道府県別の「幸福度ランキング」1位の宮崎県は、個人としてはさまざまな悩みを抱えながらも、夫婦や親子、職場など、人と人とのつながりや人間関係でカバーし合っている可能性が考えられます。そしてこれは、世界幸福度ランキング4年連続1位に輝いているフィンランドと同じ現象でもあるのです。

幸福度を左右する「人とのつながり」

国連による「World happiness report 2021」でも、フィンランドは「パンデミックの最中、人命と生活を守るのに役立つ、他者との相互の信頼関係に関する複数の指標で非常に高い順位を示した」と、その幸福度の高さの秘訣ひけつが「人とのつながり」だと報告されています

コロナ禍において、外出や移動など人との交流が制限されている中でも、人とのつながりを実感できている人・地域は、幸福度がさらに高まり、一方、人とのつながりが分断され、孤独状態におちいっている人・地域では、幸福度が低下しているといえるわけです。

事実、米ハーバード大学が75年間にわたり、約700人を追跡調査した研究でも、人の幸福度に最も影響を与えるのは「よい人間関係である」と結論づけています。