脂肪燃焼の不具合⑤:カルニチン不足

栄養に関して意識が高い方は、「カルニチン」という名前を聞いたことがあるかと思います。

カルニチンは、アミノ酸が3つつながった比較的シンプルな構造をしており、体内でとても重要な役割を持っています。それは「長鎖脂肪酸を燃やすことをサポートする」という役割です。

私たちの体脂肪は、脂肪細胞の内部の大部分を占める「脂肪滴」という形態で蓄えられています。その成分は中性脂肪がほとんどで、さらにその多くは炭素数が16~18という「長鎖脂肪酸」が占めています。その長鎖脂肪酸を燃やすときに、ビタミンCとともに、カルニチンが必須なのです。

「脂肪の燃焼機関」の実態が、細胞の中に数多くあるミトコンドリアであることは先に説明したとおりです。

脂肪細胞に蓄えられた長鎖脂肪酸は、脂肪細胞の中にある脂肪を分解する酵素「リパーゼ」によって、「脂肪酸」と「グリセリン」というものに分解されて、血液中に出されていきます。そして血流にのって、各細胞の中へとり込まれていきます。

カギを握るミトコンドリア

ただし、細胞内に入っただけでは、まだ燃えることはできません。その細胞内の中にある燃焼機関である、ミトコンドリアの中まで入り込まないと、燃やすことができないからです。

写真=iStock.com/wir0man
※写真はイメージです

長鎖脂肪酸がミトコンドリアの中へ入り込むためには、ビタミンCとカルニチンの両方が必要となるのです。どちらか一方でも不足すると、長鎖脂肪酸は「脂肪の燃焼機関」であるミトコンドリアの中に入っていくことができないので、燃やしようがない、ということです。

ちなみに、「長鎖」以外の脂肪酸である、「短鎖」と「中鎖」の脂肪酸の場合は、ビタミンCもカルニチンも不要になります。短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸は、ビタミンCやカルニチンがなくてもミトコンドリアの中に入っていけるからです。

以上、見てきたように、内臓脂肪が燃える体を取り戻すために、まずは5つの「栄養失調」を改善することから取り組んでみてください。「脂肪を燃やすサイクル」はここから始まります。

関連記事
40代で一気に「顔の老化」が進む人が毎朝食べているもの
「プロテインを飲んではいけない」健康のために運動する人に多い根本的勘違い
メンタル不調のときにまず食べるべき最強で手軽な「うつぬけ食材」
「仕事やお金を失ってもやめられない」性欲の強さと関係なく発症する"セックス依存症"の怖さ
「ちょっとだけ異常値の人がヤバい」気づいたときには手遅れの"沈黙の病"をご存じか