世界に先駆けて「量り売りコーナー」をオープン
確かに新宿店に初めて訪れたときに見たルームセットは落ち着いた色使いが多く、そこはかとなく年齢層の高さが感じられた。また渋谷店ではそれほど広いスペースを持っていない、イケアが世界のアーティストとコラボレーションした「IKEAアートイベント2021」のコレクションが2階のエスカレーター脇という、非常に目立つ場所で展開されていたのも印象的だった(※)。アートに敏感に反応する人物像を意識してのことだろうか。
※限定コレクションのため、販売終了とともに展示も終了予定
また5月17日より新宿店1階でスタートした「スウェーデン・バイツ」は、世界に先駆けてオープンした「スウェーデン料理の量り売り」のコーナー。店内に座って落ち着けるレストランやカフェはないが、イケアおなじみのミートボールやマッシュポテト、北欧名物のサーモンのマリネなどを好きな分量だけテイクアウトすることができる。オフィスや自宅での手軽な食事にはもちろん、ちょっとしたホームパーティーなどにも重宝するに違いなく、新宿店を使う人々のフレキシビリティーにマッチしている。さらに鮮やかなブルーのソフトアイス(プラントベース)は、新宿店限定の丸みのある形。これを持ち出して外で食べれば、おそらく目を引くことだろう。
「新宿店がオープンしてからの意外なできごとは、ルッネン(木製のフロアタイルでベランダなどに敷き詰めるもの)がすぐに売り切れてしまったことです。アウトドア商品がこんなに好評とは予想していませんでした。ラップトップを使い家の様々な場所で働けるようになり、生活様式が変わったことの現れでしょう。
各店舗それぞれに独特の動向があり、例えば原宿では食品の売れ行きが良く、渋谷ではロゴ付きのショッピングバッグやレインボーバッグが好評です。うちはインテリアショップなのに!(笑) とはいえポジティブなブランドイメージを持ってもらえれば嬉しいです。
日本全国共通の特徴としては、いくつかの家具は日本の限られた居住空間に合わせてダウンサイズしています。またイースタード(ファスナー付きのビニール製フリーザーバッグ)がよく売れていることも日本特有のケースです」