「人生と時間を無駄にしていないか?」問われる一冊

最後にご紹介したいのが、第19位の『DIE WITH ZERO』。

ビル・パーキンス『DIE WITH ZERO』(ダイヤモンド社)

人はいつか死ぬもの。誰もが理解している事実ですが、多くの人は、人生が永遠に続いていくかのように毎日を生きているはずです。冷凍庫のアイスを今食べないのも、大切な人に感謝の気持ちを伝えないのも、老後に備えて貯金をするのも、明日以降も人生は続くと考えているからでしょう。

そんな私たちに本書は、「ゼロで死になさい」というメッセージを贈ります。人生において大切なのは富の最大化ではなく経験の最大化であり、喜びを先延ばしにするのではなく、今しかできないことにお金をつぎ込み、人生を豊かにすべきだと。

大切なのは、80歳になったときに潤沢な資産があることではなく、人生と時間を無駄にしないこと――この指摘に、ドキリとしない人はいないでしょう。ずっと先にあるように思えていた死は、もしかするとあなたのすぐ後ろに迫ってきているかもしれません。

自分の人生を見つめ直し、より充実した人生を歩むためのはじめの一歩を踏み出させてくれる、そんな一冊です。

今月も、ストレス解消法からファシリテーション術から、『道をひらく』や『資本論(1)』のような名著まで、幅広いジャンルの本がランクイン。ほかにも、先月第2位だった『世界最高の話し方』(岡本純子著、東洋経済新報社)が今月第16位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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