平日以上に動いてリフレッシュしよう
ここでみなさんに知ってほしいのは、ただ寝ることだけが休息ではないということです。休息には大きく分けてふたつあります。ひとつは「パッシブレスト(passive rest)」と呼ばれるものがそう。これは日本語で「消極的休養」と訳され、まさに多くの人が思い描くような、ベッドで寝る、ダラダラとソファで過ごすといった休息のことです。
それに対して、日本語では「積極的休養」と訳す「アクティブレスト(active rest)」と呼ばれる休息があります。たとえば、ゴルフが好きな人にとっては、週末のゴルフがそれにあたります。そういう人たちは、週末にはむしろ平日よりよほど早起きをしてゴルフに出かけますよね。さらに、18ホールをラウンドすれば、肉体的には確実に疲れているはずです。
でも一方で、大好きなゴルフをしたことで精神的には完全にリフレッシュできて、月曜日からの仕事にも元気に臨むことができる。もちろん、精神的にリフレッシュできるのですから、脳もしっかりと休められるということにもなります。
人によってはゴルフが旅行になるかもしれないし、読書や映画鑑賞になるかもしれません。いずれにせよ、ただ寝るのではなく、自分が好きなことをするアクティブレストを生活のなかに取り入れることを考えてみてください。
「ぼーっとする時間」を増やす
そして、平日でもなるべく脳を休ませるために、なにも考えず「ぼーっとする時間」を増やすように心がけてください。休憩するとしても、勤務中はついつい仕事のことを考えてしまうものですが、なにも考えずにぼーっとするのです。
あるいは、食事のときには、仕事のことを頭から放り出して目の前にある食事に集中する。お米ひと粒ひと粒の味をかみしめたり、野菜の苦味やほのかな甘味を意識的に感じようとしたりするのです。これは近年、日本でも流行しているマインドフルネスの初級編といえるものです。ぼーっとしたり、ひとつのことに集中したりして、頭のなかの雑念を払うことが、脳を休ませることにつながります。
いまは在宅ワークをしている人も増えていますが、もし出社する場合には、通勤時間を利用することを考えてもいいでしょう。通勤電車のなかで勉強している人も多いかもしれませんが、通勤電車はぼーっとして、あえてしっかり脳を休ませる時間にあてる。そうして、通勤時間を脳をリセットする時間にすれば、生活にメリハリをつけられ、仕事でもより成果を出しやすくなるはずです。