わが子が小学校時代に家庭でやっておくべきことをひとつ選ぶなら

【加藤】小学校時代に家庭でやっておくべきことをひとつ選ぶとしたら何ですか?

佐藤亮子さん(出所=『プレジデントFamily2021春号』)

【佐藤】その点でいうと私はやっぱり基礎学力だと思うんですよ。例えば将来、環境問題を解決したいと本気で思ったときに、やっぱり基礎学力がないとどうにもならないんですよね。だから小学生のうちに身につけていてほしいのは読み・書き・計算の力だよっていうことは子供たちにも常に言っていましたね。

【加藤】確かに一生学び続ける時代での強みになりますね。日々、コツコツ学びの積み重ねができると学習習慣もできて、「努力すればできるよ」と思えます。自己効力感にもつながりますし。

【佐藤】息子が大学生のとき家庭教師のアルバイトをしていたんですが、高校の数学でつまずいている子はたいてい中学の数学でつまずいているって言っていたんです。「じゃあ中学でつまずいたのはなぜ?」と聞くと、小学校の算数ができていないからだって。結局、元をたどれば、小学生のうちに基礎学力を徹底的に身につけておくことは大事なんだなって思いました。

【竹村】特に低学年のうちに基礎学力をつけたいですよね。うちの子供はそろばんをやっていました。インターナショナルスクールの小学校でやっていたモンテッソーリ教育特有の数や図形を体験的に学ぶ「教具」は立体感覚を自然に身につける良い教材ですね。

【加藤】そろばんや教具を手で動かした実体験は、学力の土台になりますね。立体感覚といえば豆腐を切るとか、学力を伸ばすのにお手伝いも良いといわれます。佐藤さんはお手伝いをさせなかったんですよね?

なぜ、佐藤亮子ママは4人の子供に手伝いをさせなかったのか

【佐藤】うちはさせなかったですね。お手伝いさせるときって「遊んでいるなら手伝ってよ」と、親のサポートをさせますよね? せっかく子供が楽しそうに何かしているのに私の都合で中断させるのは、子供に対して失礼だなと思っていたんです。でも、うちの子たちは料理するのが好きで一緒によく作りましたよ。ただそれは、私が子供の料理を手伝うという感じです。

【竹村】お手伝いのために子供の集中を止めていたかもしれませんね。

【佐藤】そうなんです。子供って遊びのときにこそ集中しているんですよね。だから邪魔しちゃいけないんです。

【竹村】子供と大人の時間の感覚は違うって思っておいたほうがいいですね。大人からするとぼーっとしている時間もいろんなことを考えている必要な時間かもしれない

(以下、後編へ続く

佐藤亮子さん
3男1女が大学受験の最難関といわれる東京大学理科三類(医学部)に進学したことで注目を集め、テレビ出演や講演活動をしている。進学塾浜学園アドバイザーも務めている。『「灘→東大理Ⅲ」の3兄弟を育てた母の秀才の育て方』をはじめ子育てに関する著書多数。現在3人の息子は医師に、娘は大学在学中。
竹村詠美さん
FutureEdu代表理事。アマゾン、ディズニー、Peatixなどの経営メンバーとして、サービスの事業企画や立ち上げに関わり、現在は新しい教育を広める活動を展開。世界の最先端の教育について記した『新・エリート教育』が話題に。総務省情報通信審議会委員なども務める。1男1女の母。子供は私立小学校からインターナショナルスクールに転校。
(撮影=干川 修、市来朋久)
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