戦争体験、SDGs……新聞の投書欄を子供前で声に出して読む

【竹村】深夜ラジオを聴きながら勉強する感じですね。

『プレジデントFamily2021春号』(プレジデント社)
『プレジデントFamily2021春号』(プレジデント社)

【佐藤】特に外せなかったのは、投書欄の戦争体験。ちょうど子供たちと同年齢の子が戦争で親を失って路上で生活していたような話も織り交ぜて話していました。8月になると戦争の話題が増えますが、投書される方が年々高齢化している。「8月の新聞に戦争の話題が載らなくなったら日本はまずい状態」って言ったり、「歴史を学ぶのは未来のための教訓であって、点数を取るためじゃないよ」ってことも常々伝えたりしていましたね。

【竹村】そうやって、お母さんの言葉で歴史や社会問題との接点を持つのはすごくいいですね。学校だとどうしても歴史や社会的な話題を、教科書の中だけの自分とは関係ないところで起こった出来事として扱ってしまいがちですから。

【佐藤】そうかもしれませんね。うちは意見を言うときは「ママはこう思うのよ」という言葉を必ずつけていました。親の言うことがいつも絶対に正しいとは言い切れないから。環境問題なら、経済優先できれいな地球をこんなに汚してしまったこと、温暖化を進めてしまったことなどはママたち世代の責任だから、「本当にごめんね」と。「申し訳ないけど問題はあなたたちの世代で解決してね」ということもよく話しました。

【竹村】うちも環境問題については家族でよく話します。長男はモンテッソーリ教育を取り入れたインターナショナルスクールに通っていて、SDGsに関心があるんです。夕食後に、TEDTalks(※)の環境問題に関する動画を家族で見て、みんなでそれについて話したりして。

※世界のさまざまな分野の専門家によるプレゼンテーションを視聴できる動画サービス。日本語字幕もある。

医学部に入った子供たちからTEDTalksを勧められた

【佐藤】TEDTalksっていいですよね。息子からもすすめられました。

【竹村】ちなみに、今小学6年生の娘はヘアケアに興味があるんですね。どのシャンプーが髪の毛や環境にいいかという疑問につながり、成分のことにも興味が進んでいるようで、この前、実際に働いている人はどう思っているのかを聞いたら、って美容師の方を紹介したこともありましたね。

【加藤】日常会話の中や、興味があることから社会の問題に触れていたことが、「未来の社会は自分たちがつくっていくんだ」って、動機づけや自立心につながるんでしょうね。