経済の活力を高めるには挑戦が欠かせない
コロナショックによって、わが国のIT化の弱さ、遅さははっきりした。しかし、世界経済のデジタル・トランスフォーメーション(DX)推進のためには、半導体などモノの生産が欠かせない。それをわが国の微細な素材などの生産技術が支えている。
ある意味では、米中対立やコロナ禍はわが国経済の強みを確認する重要な機会だ。機械以外にも、高純度の半導体関連部材や水素関連の技術、石油化学製品などの分野で、わが国のモノづくりは国際的な競争力を発揮している。
見方を変えれば、バブル崩壊後の経済の低迷にもめげずに、わが国の企業は地道に微細かつ精緻な、他国企業が簡単に模倣できないモノづくりの力を磨き、高めた。マスターズ制覇を果たした松山選手や、コースにお辞儀をした早藤キャディーの姿は、そうしたわが国企業のひたむきな取り組みと重なる部分がある。
松山選手をはじめとする若手スポーツ選手の世界的活躍のように、わが国企業も世界的な競争力を発揮し始めている。そうした環境に多くの人が関心を持ち、さらなる挑戦を重ねることこそが、わが国の社会と経済全体の活力を高めることにつながるはずだ。