コロナ禍に立ち向かったこと自体が「ガクチカ」ではないか
新型コロナウイルスショックの渦中でも、学業や趣味、アルバイトなどへの取り組みを行ったはずである。その際に、どのように成果を出すようにしたか、何を学んだかを振り返ってみよう。
書籍が売れない時代となり、就活マニュアル本もあまりアップデートされていない。大学によってはキャリアセンターにおける就活指導もアップデートされていない。まだこの手のマニュアル本に載っていない上、ネットの就活対策記事でも見かけたことがあまりない、私がここ数年で編み出したテクニックがある。「スマホ・カメラ分析」である。
今の学生は、スマホを持ちはじめてから現在までの写真をスマホやクラウドの中に、全て保存している。学生時代のこれまでの写真を見返すと、自身が真にアピールするべき点、なんでもないような隠れたアピールポイントなどが見つかるものである。
そもそも、新型コロナウイルスショックに立ち向かったこと自体が「ガクチカ」ではないか。そんな視点も持っておきたい。他大学も含め、学生たちの取り組みを聞いていると、Zoomを活用してサークル活動を行った、ゼミでZoomを活かして著名人にインタビューを行った、アルバイト先でのコロナ対策を率先して行ったことなどはアピールポイントになりえる。
コロナで思い通りの大学生活を送れずに悩んでいる学生は多数いる。ただ、実は誰もが前向きな一歩を踏み出しているはずだ。そこを直視したい。
コロナ禍で企業が学生に求めている資質
なお、企業が求める能力・資質もオンライン時代に向けて変化がみられる。マイナビが3月17日に公表した「2022年卒マイナビ企業新卒採用予定調査」を基に考えてみよう。
選考の際に重視する力を、経済産業省の「社会人基礎力」の12要素について複数回答で聞いた設問において、特に前年から増加幅が大きい項目は「柔軟性」(57.4%、対前年+8.0ポイント)、「傾聴力」(57.0%、対前年+7.8ポイント)、「ストレスコントロール力」(46.6%、対前年+6.5ポイント)などだった。変化の激しい時代であること、ウェブによるコミュニケーションが増えた時代を反映しているといえるのではないか。
たとえば、前述したように、「私のコロナ対策」はアピールポイントになりえる。この未曽有の危機に直面しつつ、いかに向き合ったかを考えてみよう。