後継人事は、結局自民党内の「玉突き人事」
候補者検討委員会が出した組織委会長の後継の結論は、橋本聖子五輪担当相だった。
一方でその五輪担当相の後釜には、選択的夫婦別姓に反対する丸川珠代氏が就いた。ジェンダー平等をうたうオリンピック憲章とは相いれないスタンスである。これもまたステークホルダーを巻き込んだ議論の結果とは到底言えず、自民党内の玉突き人事である。
3月16日、宮城県は確保した五輪の都市ボランティア約1700人の内、コロナへの不安などで600人近くが参加を辞退する動きがあることを発表した。辞退の増加には、二階幹事長などのボランティア軽視の発言も無関係ではないだろう。
ここまでの五輪離れから、一度、地に落ちた信頼と信用を取り戻すには、再度、「これこそが自分たちの平和の祭典」という意識をもたらす改革が不可欠であろう。
スポーツメディアもまた「密室に詳しい人」「密室に入れる人」を持ち上げ、次は誰かという人事当てクイズをするのではなく、その決定プロセスに上辺だけでなくガバナンスや透明性が効いているか、常にチェックを怠らぬことが肝要である。
セクシャルハラスメントも、ドメスティックバイオレンスも言語化することで問題解決が認識できた。
ステークホルダー・エンゲージメント。流行らせるべきワードである。