「日本でも速やかに実施しなければいけない」は本当か

産経社説は最後にこうも指摘する。

「ファイザー社からのデータ提出を受けて、米食品医薬品局(FDA)は25日、零下15~25度の一般的な医療用冷凍庫で最大2週間のワクチン保管を認めた。小分けや移送が容易になり、自治体の負担は軽減される。日本でも速やかに実施しなければいけない」

これで氷点下70度という超低温での冷凍保存というハードルはなくなった。だが、副反応などの問題がすべて解決したわけではない。

厚労省によると、新型コロナは日本では8割以上の感染者が他人に感染させていない。感染しても若者を中心に80%以上が無症状あるいは軽症で済んでいる。どのような患者が重症化するのかはほぼ解明されているし、重症化を防ぐ治療方法も確立しつつある。しかも人口100万人あたりの日本の感染死者数は欧米に比べてきわめて少ない。

日本は「欧米に遅れるな」とワクチン接種に前のめりになるのではなく、半歩下って余裕を持って考えるべきではないかと思うが、どうだろうか。

関連記事
肌の老化対策は"ワセリンとニベア"で十分
「コロナワクチン接種率98.4%」ハーバード大学の日本人医師が、日本人に伝えたいこと
新型コロナのワクチンを打つ前に読んでおきたい必読本3冊
なぜ日本のメディアは「支離滅裂な欧州のコロナ対応」を絶賛するのか
WHOの「中国・武漢コロナ調査」はまったく信用できない