中国は違法行為を重ねることで、最終的に正当化させる

中国は2012年に日本が尖閣諸島を国有化したことから自らの領有権を主張するために海警局による侵入を何度も繰り返し、既成事実にしようと企んでいる。典型的な中国のやり口だ。違法行為を重ねることで、最終的に正当化させる。中国は、うそも100回もつけば、“事実”になると考えているのだ。

問題の海警法を整理すると、ポイントは次の3つである。

①管轄海域では、他国の軍艦や警備船を排除でき、臨検や航行の制限もできる
②主権の侵害時には武器が使用でき、攻撃を受けたときには公船の武器の使用も可能となる。軍部の指示で防衛もできる。
③管轄海域やその海域の島で他国が建造した建築物の強制撤去が可能で、自国の人工島は保護の対象となる。

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「力によって一方的に現状を変えるのはやめよ」と朝日社説

3月1日付の朝日新聞の社説は「中国海警法 海洋の緊張を高めるな」との見出しでこう書き出している。

「中国の行動は地域の平和と安定を揺るがしかねない危うさをはらんでいる。力によって一方的に現状を変えようとすることはやめるべきだ」
「中国公船は年々、大型化などの増強が進む。自らの主張に合わせた既成事実を強引に築くねらいのようだが、認めるわけにはいかない」

「一方的に現状を変える」「既成事実を強引に築く」。前述したが、まさにこれが中国のやり方なのである。朝日社説が主張するように決して認めてはならない。

中盤で朝日社説は「中国海警局の役割と権限を定めた中国海警法が施行されたことも、波紋を広げている」と指摘し、「まるで法律の不透明さを利用した『脅し』のようだ。これでは日本だけでなく、フィリピンやベトナムなどの周辺国が不安を感じるのは当然だろう」と書く。

海警法はまさに中国の卑劣極まりない脅しなのである。中国は周辺の国々に恐れや不安を抱かせ、その国の政治や経済を一党独裁色で塗りつぶしたいのだ。中国の脅しに屈してはならない。周辺の国々がひとつにまとまり、中国に「ノー」というべきである。