預貯金ゼロ世帯は、2人以上世帯が1.5%、単身世帯が5.1%
ここでの金融資産非保有とは、預貯金はあるが、運用目的の金融資産を持たないという意味である(図表3参預貯金すら全く保有していない世帯は、2人以上世帯が1.5%、単身世帯が5.1%照)。日常的な出し入れや引き落しをする預貯金すら全く保有していない状況だ。
単身世帯は、自分の食い扶持は自分で稼がなければならないのに、預貯金すらない人が5%いるとは大きな問題に違いない。
投資をしない理由と投資未経験者の3つのハードル
日本人が投資に二の足を踏む理由は何か。一般的に、投資未経験者にとって、投資を始めるまでに3つのハードルがあるのだという(※2)。
1つ目は「まとまったおカネがないと投資できない」「専門的知識が必要」「損をするのがイヤ」などの意識のハードル。
2つ目は「手続きが面倒」「時間がない」などの手続きのハードル。
3つ目は「何に投資したら良いかわからない」などの商品選択のハードルである。
これらのハードルを越えるためには、投資は難しいもの、特別なもの、リスクがあるものなどネガティブなイメージを払拭することが重要だと思うが、とくにバブルを経験したシニア層以上は、投資で失敗した経験がある人も多く、実際にはなかなか難しい。
投資の魅力や本質とはどんなものだろうか。例えば、投資は恋愛や結婚に似ている、と考えてみてもいいのではないか。別段、しなくても生きていけるが、すれば人生が豊かになる可能性を秘めている。実際してみなければ、その良さは分からないし、相性もある。自分に釣り合わない、価値観が違うタイプを選べば、あまり良い結果を生まない。始めるタイミングも重要だ。
投資をすれば大なり小なり失敗はあるだろう。だが、経験を積んで知見を得れば、投資リテラシーを高めることは可能だ。最近は熟年から始める人も多いが、若いうちから、経験値を高め成功体験を積むことはその後の人生や老後に生きてくる。
最近は、少額からでも投資が始めやすい環境もずいぶん整ってきた。昨今の株価上昇傾向であれば、投資ビギナーもなんとなくスタートを切りやすいかもしれない。これまで投資をためらっていた人も、少額ずつ試してみてはいかがだろうか。
※2:MUFG資産形成研究所「金融リテラシー1万人調査の概要~「投資をしている人」と「投資をしていない人」の違いとは~」2018年8月