スマホの機内モードをフル活用する
以前にも紹介しましたが、脳はその場所が何をする場所なのかを覚えています。なので、オンとオフも、明確に場所を分けることで切り替えがスムーズになります。
オフィスにいるときには、コピーをとりに行ったり、会議室に行ったり、ランチに出かけたりと、場所を何度も移動する機会があります。しかし自宅では、それほど移動する機会は生まれません。また、仕事も食事もダイニングテーブルという家庭もあるでしょう。そうなると、なかなかオンとオフの切り替えが難しくなります。
そうならないために、「仕事用のイスを決めておいて、休むときにはそのイスを使わないようにする」といったことを意識することも大切です。
また、休憩時間はパソコンの前から離れて、スマートフォンも機内モードにするなどして、本当に休むことがポイントです。Wi‐Fi環境下だと、ずっと連絡が入ってきてしまいます。休みの時間をしっかり取るには、そうしたネット環境下からも遠ざかり、強制的に仕事をしないようにすることが必要です。
五感を使うことでオンオフを切り替えるのも効果的です。
たとえば、オンの時とオフの時で、違うアロマの香りを使ってみることです。会社では香りを充満させることはできませんが、在宅であれば誰に気兼ねすることなくアロマを使うことができます。
また、シャワーを活用して、シャワー後に休憩をとるなどして、仕事とプライベートの線引きを行うのもひとつ。特に夏場のシャワーはすっきりとした気分を演出することにも役立ちます。これも在宅ならではのオンとオフのスイッチングです。
大前提として自宅の仕事環境は未整備
在宅ワークで多くの人たちが生産性を下げていることが、いろいろな企業の調査でわかってきています。残念ながら、自宅には最高の作業環境がないからです。
多くの場合、自宅のイスや机は長時間の作業に向いていません。簡易的な机だったり、イスだったりして、仕事用ではないのです。こうなると、姿勢が崩れやすくなり、疲れを誘発します。その結果パフォーマンスが落ちることは、ある意味当然です。
また、そうした状態のままでいると、腰痛や肩こりにもなりやすく、集中力の低下を招くことになりかねません。
何度も書いているように、頭の重さは体重の約10%、5~6キロにもなります。言ってみればボウリング球を首の上に乗せているようなものなのです。頭の位置が身体の真上にないと、首の骨や背骨に大きな負担をかけるため、身体に負担をかけやすくなります。
対策としては、ひとつは設備に投資をすることです。第3章でも紹介しましたが、座り仕事に適したイスもあります。可能であれば、イスや机は、できるだけ仕事用のものを用意する。本当は会社に用意してもらいたいところですが、会社が用意してくれないのであれば、自分で用意するしかない。
また、PCのディスプレイが常に目の前にあるような位置にセットして首への負担を減らします。そのためには、モニターアームを用意したり、ノートPCであれば、傾斜台などを用意することが賢明です。