「ほかのお母さん、もっとやってます」

継子育てに悩んでも、「母親」となることを求める夫には理解されないばかりか、やり方が悪いと否定されてしまうこともあります。しつけや教育の方針をめぐってカップルや祖父母など世代間で意見の対立も起こりやすく、ある継母が「私は家のなかでいつもひとり」と語ったように、途中から家族に加わった継母が疎外感や孤立感を抱えてしまうのはよくあることです。

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家庭内で葛藤を抱えた多くの継母が、助言や情報を求めて公的機関の相談窓口や友人・知人に相談しても、理解や共感を得られないという経験をしています(前回記事で見た、結愛ちゃんの母親が児童相談所から適切な支援を得られずに孤立していった状況と似ています)。そこでも「理想的な母親」となることを求められていると知り、さらに孤立感を強めてしまうのです。

「ほかのお母さん、もっとやってます」と。「自分の人生を犠牲にしてでも自分の子を見てます」みたいなことを言われたんですよね。(中略)お母さんはきっと言わなくてもそう思ってるのは当然だからって言わないじゃないですか。でも継母はそう思ってないだろう、育児もちゃんとやらないだろうし愛情もないだろうという前提があるので、それを言われるんだろうと思って。(三十代・再婚継母)

レッテル貼りが深刻な自己否定につながっていく

この三十代の再婚継母のように、継子との関係を改善するヒントは何かないかと子育てに関する相談窓口に駆け込んだものの、継母に対する偏見のある回答しかもらえず、ステップファミリーの継親ならではの悩みを理解してもらえない。相談したことでかえって誰にも助けを求められないと知れば、ますます葛藤を募らせ、孤立してしまうことは想像に難くありません。

シンデレラのまま母みたいなことは私もやってるのかもしれへんなって思うときあって、すごい自分が嫌になるときってよく、多々あります……(三十代・初婚継母)

継母に期待されるのは「理想的な母親」になることであり、そうなれなければ「意地悪なまま母」というレッテルを貼られてしまう。この継母のように、おとぎ話に出てくる虚像と自分が重なって、深刻な自己否定にもつながっていくのです。

結局、継親が「親」になり代わるというやり方は、継子だけでなく継親にとっても葛藤を生じやすいことがわかります。そして、継親のなかでも、継父よりも継母のほうがストレスが高いという理由がわかるでしょうか。