わたしたちの消費活動が、次世代の社会をつくる
私たちは日常生活の中で、特に意識することもなく、モノやサービスを購入するわけですが、この購入は一種の選挙として機能し、購入する人が意識することなく、どのようなモノやコトが、次の世代に譲り渡されていくかを決定することになります。
私たちが、単に「安いから」とか「便利だから」ということでお金を払い続ければ、やがて社会は「安い」「便利」というだけでしかないものによって埋め尽くされてしまうでしょう。もしあなたがそのような社会を望まないのだとすれば、まずは自分の経済活動から考え直さなければなりません。
だからこそ、「責任ある消費」という考えが重要になってくるのです。なぜ「責任」なのかというと、私たちの消費活動によって、どのような組織や事業が次世代へと譲り渡されていくか、が決まってしまうからです。私たちが、自分たちの消費活動になんらの社会的責任を意識せず、費用対効果の最大化ばかりを考えれば、社会の多様性は失われ、もっとも効率的に「役に立つモノ」を提供する事業者が社会に残るでしょう。
そのような大企業が社会を牛耳ることに批判的な人も多いのですが、彼らは別に権力者と結託してあのような支配的地位を獲得したわけではありません。彼らがあのような大きな権力を持つに至ったのは、なんのことはない、私たちがその事業者から多くのモノやコトを購入しているからです。
これはつまり、何を言っているかというと、これをひっくり返せば、市場原理をハックすれば、私たちが残したいモノやコトをしっかりと次世代に譲渡していくことが可能だということです。