2ちゃんねる創業者のひろゆきさんは「論破王」
この方法の達人として、「論破王」で有名な2ちゃんねるの創業者、ひろゆきさんがいらっしゃいます。以前、東京都知事選で山本太郎さんが敗れた後の記者会見で、ひろゆきさんが山本太郎さんに質問する場面がありました。
「国会議員1人じゃ国が変わらないことはわかったわけじゃないですか」「知事だったら絶大な権限を持っているということもわかったじゃないですか」「だったら4年後の知事選を目指すべきではないですか?」と、前の2つの質問で前提をロックして、それから一番聞きたい質問を最後にしたのです。
この流れだと、「そうですね」と言ってしまいそうになります(実際、山本太郎さんは「今の時点では、4年後、誰が立つのかわからない」と答えられました)。これも前提を揃えてから本題に入るケースです。
ここまで前提をロックできれば、もうマスタークラスですが、鋭いコメントをする方は、「○○ですよね、そこで質問なんですが」と、前提をロックしてから本題に入ることが多いのです。
「どんなイメージを持ってますか?」のひと言でいい
実際にやってみると、ステップ(1)がそこまで多くないことに気づくと思います。前提を決めておかなければいけないものは、揉めそうなことなので、そう考えると、せいぜい2~3個です。
しかし、その2~3個を決めておかないせいで、上司と部下の間で不毛な議論が起こり、長い説明が必要になったり、お互いに嫌な気持ちになったりすることが少なくありません。
まず、事前に前提を決めておくこと。もし、議論が錯綜し始めたら、「私の前提は○○と考えているのですが」と、すり合わせを行うことが大切です。いきなり、部下が上司に、「私の前提は~」、なんて言ったら生意気だと思われるかもしれませんので、「ちなみにこの件に関してはどういった前提を持たれてますか?」とヒアリングするのもよいでしょう。
「どういった前提?」と聞きづらいようであれば、「どういったイメージをお持ちでしょうか?」と聞くのもありだと思います。
逆に、上司は、予め部下に前提を伝えておくことをおススメします。議論が錯綜し始めた後に前提を揃えようとすると、「だったら先に言ってくださいよ」と険悪なムードになるかもしれません。
前提が合致するだけで、上司も部下も、相当ストレスが軽減されるはずです。
「あれ、噛み合わない」と思ったら、結論を急がず、まずは前提を揃えることから始めていきましょう。
【まとめ】
1 アバウトなものを特定し、前提を決める
2 議論が錯綜し始めたら、結論よりもまず前提をすり合わせる